テレビ大陸音頭が語る結成秘話 バズりまくりの若きバンドを生んだ底知れぬ音楽ルーツ
3人の出会いと「テレビ大陸音頭」命名秘話
―この3人はどういう経緯で知り合ったんですか? 千代谷:高校(札幌厚別高校)の軽音楽部で初めて出会いました。最初は僕がギターボーカル、鈴木がドラム、あとはベースの女の子の3人で「アフリカは君に語りかける」というバンドを組んでいて。銀杏BOYZ、くるり、フジファブリックとかをコピーしていたんですけど、オリジナルもやろうとなって。でも、僕のギターがそんなに上手くなかったので、ブラック・ミディみたいなギターを弾けるヤツいないかなって。それで、鈴木はギターもめちゃくちゃ上手かったので代わってもらうことにして。ヤナガワは仲もよかったし音楽の趣味も合うのでドラムで入ってもらって、テレビ大陸音頭を結成したという感じです。 ―「アフリカは君に語りかける」はスライの曲が由来ですよね、きっと。 千代谷:そうですね。ちょうどその時期に『暴動』 (There’s a Riot Goin’ On)をよく聴いていたのと、面白い名前にしたいなと思って。 ―「アフリカは君に語りかける」は高校軽音全道大会で総合グランプリを獲得し、全国大会にも出場したそうですが、その頃はどういう音楽性だったんですか? 鈴木:今みたいな「バチコン!」って感じではやってなかったよね。 千代谷:普通の3ピースバンドでしたね。当時作った「夜について」という曲はテレビ大陸音頭で今でもやってます。 ―当時の映像を見る限り、すでに高校生離れした異彩を放つサウンドだったようですが。 ヤナガワ:(うなずく) 千代谷:最初はティアーズ・フォー・フィアーズ、ニュー・オーダーみたいな80年代のシンセポップみたいな曲を作ろうとしたんですけど、進めていくうちにディスコっぽい感じに近づいていきました。 鈴木:シンセの音がチープだったので、組み立てていくうちにああいう感じになって。 ―みなさんは軽音楽部でどんなふうに打ち解けていったんですか? 千代谷:ヤナガワとはすぐ打ち解けて「一緒にバンドやろう」っていう感じでしたね。鈴木は体験入部で初めて会ったときに「だいぶイキってる奴がおるな」と思ってあまり喋らなかったけど(笑)、だんだん「イケてるやん」って思うようになりました。ゆらゆら帝国とかZAZEN BOYSの話で盛り上がったんだっけ? 鈴木:JAGATARAの話もしなかった? ヤナガワ:ガチの最初はゆら帝の話で繋がったはず。 ―テレビ大陸音頭というバンド名は、みんなで単語を持ち寄りかっこいい羅列を考えて命名したそうですね。「大陸」は「暗黒大陸じゃがたら」から拝借したのかなと思ったんですが。 千代谷:そうです! ―「テレビ」と「音頭」はどこから? 千代谷:「テレビ」は 僕がすごく好きなテレヴィジョンというバンドから。『Marquee Moon』に感銘を受けて、そこから取るしかないなと思って。「音頭」は日本っぽい単語でも入れとくかみたいなノリです。「Ondo」っていう英語表記もカッコいいし。 ―千代谷さんのTwitter(X)に「最初は『日本のギャルたち』ってバンド名になる予定でした」と書いてありましたが、そうなんですか? 千代谷:バンドを始めて2日ぐらいは「日本のギャルたち」だったんですけど、 さすがにアカンかなと思って。 ヤナガワ:そのあとすぐに「極悪ボートクラブ」に変わったんです。 千代谷:でも、おっかないかなと思って、テレビ大陸音頭になりました。 ―(笑)現在は戸借晴亜さんがサポートベースを務めていますが、「アフリカは君に語りかける」で一緒だったベースの平山優菜さんはどうされてるんですか? 鈴木:絵を描きたいからお休みしますって。 千代谷:デザイン関係でも関わってくれてるんです。あのTシャツにもなってるバンドロゴも書いてもらいました。