Amazonの激安ECプラットフォーム「Amazon Haul」とは? 「Temu」「SHEIN」に対抗する低価格サイトの特長
「Amazon Haul」は、「Temu」や「SHEIN」に似たグリッドスタイルのサイトデザインを採用。そして、低価格の商品を取り扱っていることをPRしています。
バナーには「信じられないほどの激安価格」といったキャッチコピーを使用して商品を宣伝。たとえば冬用手袋が3.21ドルなどで販売しています。激安販売の例は、ほかにも、iPhoneケースが1.79ドル、グリル用トング2個セットが4.99ドルなどがあげられます。 合計25ドル以上の注文を受けた場合は送料無料。それより少ない注文には3.99ドルの手数料を徴収します。Amazonは顧客にまとめ買いを促すため、送料無料ラインの設定だけでなく、50ドル以上の注文で5%の割引、75ドルを超える注文で10%の割引を提供しています。
商品の保証による顧客保護の取り組み
Amazonは激安商品に対する消費者からの信頼を得るため、「Amazon Haul」で取り扱う商品はすべて安全性、真正性、ルールに準拠しているかどうかを審査しています。購入品はAmazonのA-to-Z保証によって裏付けられています。A-to-Z保証は、Amazonが提供する購入者保護プログラム。購入商品の破損、欠陥、不当表示などの問題をカバーし、購入者が安心して買い物できるよう保護します。 さらに、「Amazon Haul」で購入した商品は、15日以内であれば3ドル以上の商品は無料で返品できます。顧客は各地のAmazonロッカーや、スーパーマーケットのWhole Foods(ホールフーズ)、物流業者UPS、文房具店Staplesなどが提供する全国8000か所以上の返却場所で商品を返品できます。
当局による「Temu」「SHEIN」の規制の動き
Amazonがこのように「Amazon Haul」で取り扱う商品の安全性やコンプライアンスを重視している一方、競合他社の「Temu」「SHEIN」は欧州と米国で取りざたされている規制上の問題に直面しています。 「Temu」を展開するPDDHDは、違法商品の販売を未善に防止できなかったとして欧州委員会の調査を受けています。欧州圏では現在、約9200万人のユーザーが「Temu」を利用しています。PDDHDは規制当局に対し、調査に全面的に協力すると表明しています。 2023年に欧州で前期比68%増の売上アップを記録した「SHEIN」を運営するSHEIN Grpupは現在、企業が行う環境活動に関して消費者をだます「グリーンウォッシング」の疑いでイタリアの規制当局から調査を受けています。 米国では、バイデン政権が提案した改革案により、800ドル以下の小口貨物には関税を課さずに簡易な手続きだけで輸入できる制度(デミニミスルール)を見直す可能性があります。まさに「Temu」「SHEIN」などの激安商品を扱うプラットフォームがターゲットになっています。 一部の評論家は、激安商品を扱う企業は関税を課せられることを回避するために、デミニミスルールを乱用していると批判しています。政府側はこの抜け穴を一部の企業が利用し、不当な利益を享受していると主張しています。