福島県川内村に工場進出断念、千葉の食品加工・販売業「農」
川内村の田ノ入工業団地に工場を立地予定だった食品加工・販売業「農(みのり)」(千葉県)が進出を断念した。今月上旬、同社代理人から村に連絡があった。工場建設は中断されて基礎部分が残されたままとなっており、村は用地の原状復帰を求めることも視野に入れる。 村と同社は2019年に工場立地に関する協定を締結し、同年から工場建設が始まった。工場では村産野菜などで加工食品を製造し国内外に出荷する予定だった。だがコロナ禍などを理由に事業や建設工事が止まり、村は同社の事業再開を待つ状況が続いてきた。 村は協定に基づく同社との合意を解除する。同工業団地の用地は村の所有だが、操業前は地代の支払いはないため、現状のままでは企業誘致などに支障が出る。そのため、まずは同社と基礎施工会社の動向を注視し、結果によっては原状復帰を求めた対応を取るという。 同工業団地は村の復興に向けて震災後に造成された。昨夏に事業を停止した衣類・医療サポーター製造会社の工場もそのまま残されており、村への地代支払いの滞納が続いている。
福島民友新聞社