「警察に結婚詐欺を訴えた」新宿タワマン殺人事件の犯人・実父が明かす“ストーカー中年”の怒り
「助けて! 誰か助けて!」 逃げる女性を中年男が執拗に追いかけ……。切迫した叫び声は約5分間続いた。 【写真】元ガールズバー経営者の被害者女性と、和久井容疑者のお気に入りだったガールズグループ 5月8日午前3時10分ごろ、東京都新宿区西新宿の60階建てタワーマンション敷地内でのこと。声に気づいた複数の周辺住民から「女性が助けてと叫んでいる」「男が女性に一方的に暴力を振るっている」などと110番通報が相次いだ。警視庁新宿署の警察官が現場に駆けつけると、血を流して倒れている女性と、近くで刃渡り約10センチの果物ナイフを持った男を発見した。 女性は意識不明の状態で病院に救急搬送。殺人未遂の現行犯で逮捕されたのが、その場で犯行を認めた川崎市川崎区の和久井学容疑者(51)だ。 「騒ぎにいち早く気づいた住人によると、小柄な女性が心臓マッサージを受け、返り血を浴びた男がパトカーで連行されていったそうです。現場には女性が履いていたとみられる厚底サンダルが残されていました。私はぐっすり眠っていましたが、パトカーなどのけたたましいサイレンで飛び起きてしまいました」(マンションの住人) 女性は腹部や首付近などをナイフで突き刺されるなど傷口は数十か所にのぼり、約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。新宿署は容疑を殺人に切り替えて詳しい経緯などを調べている。
ガールズバーの常連客だった容疑者
「日付が変わる前からマンション近くに軽自動車を止めて待ち伏せし、女性がコンビニに行くため外出したタイミングを狙ったとみられる。果物ナイフを2本用意していて、1本は犯行で刃こぼれしたため2本目も使っていた」(全国紙社会部記者) 亡くなったのは、このマンションに住む無職・平沢俊乃さん(25)。都内でかつてガールズバーを経営し、和久井容疑者は店の客だった。
和久井容疑者は警察の取り調べに対し、 「身体を傷だらけにしてやろうと思って刺した」 などと供述。 犯行時には「金返せ!」「俺はストーカーじゃねえぞ!」などと叫んで女性を蹴飛ばすこともあったという。 地元・川崎市の出身。高校卒業後、自動車の修理工や運送・配達業を転々としながら、一戸建ての実家で両親と暮らしていた。 自宅玄関口で取材に応じた容疑者の父親は、平沢さんとのトラブルについて「そもそもは3~4年前の秋ごろ始まった」と打ち明ける。