滞在27時間 1泊3日のアメリカ弾丸訪問…「初づくし」会談の裏側
「新しい時代の幕開け」と宣言された、日米韓首脳会談。日本外交団は1泊3日、滞在27時間の弾丸日程でした。会談の狙いは? “なぜ、あれは…”のギモンに答えます。
■“初づくし”会談…「キャンプ・デービッド」選んだバイデン大統領の狙いは?
3首脳がそろって「新しい時代の幕開け」と宣言した日米韓首脳会談。ある外務省幹部は「『初づくし』の会談」と異例ぶりを強調した。 1つ目の「初」は、会談場所。 バイデン大統領が選んだのは、首都ワシントンDCでなく、大統領の別荘「キャンプ・デービッド」だった。バイデン大統領が外国首脳を別荘に呼んだのは、就任以来「初」。首都ワシントンDCから北西に100キロ、車で2時間ほど離れたキャンプデービッド。日本でいえば、軽井沢の別荘地といったところか。アメリカ側は「最も重要な会談にしか使われない」(米政府高官)と強調、日本側は「大統領のおもてなし」(官邸関係者)と歓迎した。 2つ目の「初」は、会談の形式。 日米韓3カ国の首脳が国際会議以外で、この会議のためだけに集まるのも「初」。「このためだけに、わざわざ太平洋を渡って集まるってことに意味がある」(官邸関係者)のだという。バイデン大統領の狙いについて日米外交筋は、来年大統領選を控え「自分の責任で日米韓を動かした。対中国、対北朝鮮政策で抑止力を高めるという国内向けのアピール」の意味があると分析している。
■一番やりたかったのは誰? 「日本よりアメリカ・韓国が気合が入っていた」
今回の取材で浮かび上がった“素朴な疑問”について考えたい。 〇素朴な疑問<1>「一番やりたかったのは誰?」 複数の関係者に「3カ国会談、一番やりたかったのは誰?」と聞いた。 「アメリカが前のめりな感じはあった」(外務省関係者) 「今回は、日本よりアメリカ・韓国が気合が入っていた」(日米外交筋) 複数の外交関係者が「日本より、アメリカ・韓国が前のめりだった」と声をそろえた。それはなぜなのか? ある米政府高官は、日韓関係の改善に向けて「バイデン大統領は、この数年プライベートな多くの関与をしてきた」と説明。「中国と向き合う中で、基盤となる『日米韓の基軸』を固めることができた、という思いが強い」(日米外交筋)との声が出ている。