滞在27時間 1泊3日のアメリカ弾丸訪問…「初づくし」会談の裏側
■なぜ? 処理水話題にならなかった…「あうんの呼吸」(政府関係者)
〇素朴な疑問<2>「なぜ? 処理水について日韓で話さない」 今回の首脳会談では安保面での協力が大きく打ち出される中、日本政府が直面している課題「処理水」の話が、尹大統領との会談で出るのかが注目されていた。特に、韓国国内で反発が強い尹大統領に、岸田総理がどんな言葉で説明するのか?が気になっていた。しかし、会談前から複数の政府関係者が「処理水は議題にならない」と話していた。 放出を目前に尹大統領とせっかく会うのだから「近く、放出しますよ」と「“仁義切り”をするのでは?」という見方もあった。しかし、会話はなかった。理由についてある総理周辺は「尹大統領の考えはすでにわかっている。会談で議題にすれば逆に尹大統領に対する国内の反発を助長する」と説明している。 つまり、尹大統領を追い込む事態になるから“あえて”話さなかったという説明だ。ある外務省幹部は「そこは、あうんの呼吸」だ、と解説している。
■なぜ? 強行弾丸日程…「次は処理水、時間がない」
日本ーアメリカ間の往復フライト時間およそ26時間。ワシントンの滞在時間27時間。同行した外務省関係者からは「どうせなら、もう1泊してから帰ればよかったのに」「初日は夜に到着し寝るだけ、2日目は朝から飛行機に乗るまで働き続け、シャワーに入る時間もなかった」など悲鳴に近い声があがっていた。 弾丸日程に、岸田総理に「お疲れは?」と聞いたところ「『いまのところ』疲れはない」と語っていた。 帰国直前、「20日に福島を訪問する」と発表した岸田総理。それを聞いた政府関係者は「次は処理水の放出にむけての調整が待っている。岸田総理にはアメリカにもう1泊する暇も、余裕もない」と語った。