"芸人の墓場"から売れっ子事務所へ、ザコシが語るSMAの20年「第二のやす子は簡単には出てこない」
2016年度『R-1ぐらんぷり』の覇者にして、異能の芸人として混沌と爆笑を生み出すハリウッドザコシショウ。毎年恒例となった夏のミニ単独ライブツアーは過去最大キャパでの開催が決定。8月3日(土)東京・有楽町朝日ホールを皮切りに、福岡・名古屋・大阪・静岡の5都市7公演、激ヤバなネタが日本列島を駆け抜ける。そんな彼は今年、YouTubeチャンネル開設15周年、ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属20周年という節目を迎える。今の彼を語る上で欠かせない「YouTube」、「SMA」、この二つに対する姿勢と考えを伺ってみた。すると、浮かび上がってきたのはハリウッドザコシショウ流の強固な哲学と美学だった……(前後編の後編)。>>前編は下の関連記事からご覧ください。 【写真】過去最大キャパで単独公演を行うハリウッドザコシショウ ハリウッドザコシショウが所属するソニーミュージックアーティスツ(以下:SMA)が立ち上げたお笑い芸人プロジェクト「SMA NEET Project」が、今年冬で設立20周年を迎える。かつて、東京中の海千山千なインディーズ芸人を掬いあげた結果、ついた異名は「芸人の墓場」。その時代を経て、バイきんぐ、アキラ100%、錦鯉、そしてザコシショウと賞レースの勝者。そしてコウメ太夫、AMEMIYAといったテレビで爪痕を残す芸人を多数輩出してきた。 現在もライブ界隈を見れば『M-1グランプリ2023』セミファイナリストとして特大の存在感を発揮したスタミナパンが躍動。さらにユース世代が軸となる「SMA HEET Project」から、やす子というニュースターが現れるなど、今や芸人事務所きっての華のある事務所へと成長、「芸人の墓場」という評価は遠い過去のものになった。 黎明期から所属、20年の長きに渡りSMAの歴史を見てきたザコシショウとしては、今のベテラン・若手の活況についてどのような想いなのだろうか? 「正直、始まったばかりの頃のSMAは、僕のような事務所を辞めた連中を全部拾い上げていって、“器のデカさ”ぐらいしか武器がなかった。しかも、どんな芸人がいるか運みたいなところが強いし吉本のように学校もあるわけではないから、芽が出るにはだいぶ時間がかかった。今はそんなこともなくなり、それなりに入るのは大変で。しかも、やす子という活躍する若い子が出てきて、活気づくのはいいことです」 思わず目を細める。しかし、一方では今の活況に釘も刺す。