「プライベートをしつこく聞いてくる上司が苦痛」→知の巨人・佐藤優の“処世術“が実践的すぎた!
● 「年収1000万円を超えたい」ならば Aさんはどうすべき? 上司と公私にわたって付き合い、「どんな価値観を持っているのか」「家族との関係はどうなっているのか」「会社に対する忠誠度はどれくらいなのか」「本当の能力はどれくらいなのか」といったことを、できるだけ知っておいてください。 上司は一応、社内でのレースに勝ってきている人です。その立ち居振る舞いからは、言葉では説明できないような、仕事上の重要なノウハウも学べるはずです。出世のカギになる「暗黙知」を入手したいのであれば、雑談などの「余計なこと」を我慢する胆力が必要です。 それは漁の世界と同じ。 例えば立派なサザエを獲ろうとすると、表面にフジツボなどの「余計なもの」がたくさん付いてきますからね。 ですので、ご自身の中で「自分は今後どうなっていきたいのか」を自問自答すると、上司との付き合い方もおのずと見えてくるはずです。 ちなみに、もしAさんが社内で出世していきたいのであれば、直属の上司だけではなく、「部署異動前にお世話になっていた元上司」などの「ナナメ上の上司」と接点を持つことも重要です。 そうした人たちは、今はAさんを管理・監督する責任がなく、査定もしなくていいので、「あなたの働きぶりが上の立場からどう見えるか」をざっくばらんに教えてくれるからです。機会があれば、「ナナメ上の上司」たちが参加する飲み会に行くことも貴重な経験になるでしょう。
● 佐藤優が伝授する 「カラオケで座るべき場所」とは? とはいえ、そうした人たちとの距離感が近くなりすぎて、頻繁に飲み会に誘われるようになっては元も子もありません。おカネもかかるし、時間ももったいない。お酒を飲んでばかりいると頭も回らなくなります。 なので、社内での飲み会は、3回のうち2回は断っても大丈夫です。残りの1回に参加する際は、2次会まで付き合いつつも、途中でうまく切り上げる処世術を駆使して、時間を有効に使ってください。 処世術の具体例としては、もし2次会がカラオケボックスだった場合は、必ず出口に近い席を取りましょう。そして、「歌います!」と早いうちに手を挙げる。周囲の好みと被らないよう配慮しつつ、サッと2曲か3曲を歌う。ひとしきり盛り上げると、スーッと部屋から逃げる。これでおしまいです。 早抜けしたことは意外と気付かれないですし、序盤に何曲か歌っていると「その場にいた」ということは覚えられているので、目上の人たちに「付き合いが悪いヤツ」だとは思われません。 ビジネスの世界を見てみると、こうした処世術を駆使している人は結構多いですよ。社会人として生き残っていく上では、ちょっとした「ズルさ」も必要です。
佐藤 優