「エレクトロタップ」か「スプライス端子」。配線を分岐するならどっち?
スプライス端子はどのように絶縁するかがポイント
スプライス端子を活用するには電気工作用の工具の他に、絶縁処理が必要という条件もあります。エレクトロタップは金属製の接触子の外側の樹脂ボディが絶縁体なので後処理は不要ですが、スプライス端子はカシメ金具が露出しているからです。 確実性を求めるなら、金具と配線に密着してスリムに仕上がる熱収縮チューブを使用するのがベストです。 ただしその場合、熱収縮チューブを車体配線に簡単に通せるか否かが問題です。配線を分岐した近くにコネクターがあって、一旦端子を抜いてチューブを通せるような理想的な展開になればラッキーですが、そうでなければ配線用のハーネステープをしっかり巻き付けます。 ハーネステープは一般的なビニールテープより伸びが良く、接着剤がべたつかず剥がれづらく、重ね合わせ部分に隙間ができづらいのが特長で、絶縁が必要な部分で能力を発揮します。 車体配線の端部が分岐部分の近くになく、それでも熱収縮チューブを使いたい場合には、分岐部分で車体配線を一度切断してチューブを通し、並列+突き合わせで芯線をかしめるという方法もあります。ただこの方法では、切断した分だけ車体配線が短くなってしまうので、束になったハーネスから分岐すると芯線が届かなくなる場合もあるので注意が必要です。 電気が苦手な人にとって、こうした工作はできれば避けたい作業かもしれませんが、せっかく取り付ける電気系アクセサリーが正しく機能するよう、確実な配線処理を行うことが重要です。 【POINT】 ■ポイント1・エレクトロタップで配線を分岐する際は、配線の太さに応じたサイズのエレクトロタップを使用する ■ポイント2・スプライス端子を使用することで分岐部分がスマートになり、複数の配線を分岐させることも可能 ■ポイント3・エレクトロタップは接続と同時に絶縁できるが、スプライス端子は熱収縮チューブなどで絶縁処理が必要
栗田晃