甘みやコクが重なって<本みりんでおうちフレンチ>こんがり焼き目が食欲をそそる「豚スペアリブのみりんキャラメリゼグリル」
『婦人公論』(2023年12月号)の料理連載「お料理歳時記」では、「本みりんでおうちフレンチ」を特集! もち米、米麹、米焼酎から作られる本みりん。その深い味わいを、和食にしか使わないのはもったいない!フランスの家庭料理に取り入れるコツをサルボ恭子さんに習います(撮影=ローラン麻奈 構成=北村美香) 【写真】こんがり焼き目が食欲をそそる!『豚スペアリブのみりんキャラメリゼグリル』 * * * * * * * ◆みりんの甘みは、豚肉のお料理によく合う みりんはもち米を原料とし、醸造・熟成された調味料。いわばもち米のリキュールです。日本古来の調味料なので和食にしかお使いにならない方が多いようですが、この上品な甘みとコクは幅広いジャンルの料理で活躍します。 鶏肉や豚肉といった色の淡い肉と甘みは合うものですが、みりんの甘みは、特に豚肉と好相性。みりんに漬けてオーブンで焼いた肉は、つややかに香ばしく焼き目がつきますし、みりんと煮込めばやわらかくジューシーに仕上がり、煮くずれしない効果もあります。 砂糖の量を減らしてみりんを使えば、デザートも軽やかな甘さに。 「フラン」はあまり耳馴染みがないかもしれませんが、チーズケーキのような弾力を持つプリン、といったイメージでしょうか。フランス人が大好きなおやつです。添えたマーマレイドも、オレンジとみりんだけで作ります。本みりんを使うから生まれる味わいです。 引き算の料理とも言われる和食では、みりんを隠し味程度に使うことで食材の味を引き立てます。一方、フランスの家庭料理は足し算。みりんの風味をしっかりつけても、味を重ねて完成させるので、目立ちすぎることはありません。まずは和食以外でみりんを使うことを楽しんでみてください。
◆『豚スペアリブのみりんキャラメリゼグリル』 《 材料(2人分) 》 ・豚スペアリブ…4切れ(240g) ・人参(小)…1本 ・紫玉ねぎ(小)…1個 A 塩…小さじ1/2 クミンパウダー…小さじ1/2 ナツメグパウダー…小さじ1/2 にんにく(すりおろし)…小さじ1弱 ・みりん…大さじ1 《 作り方 》 (1) 豚肉はバットに並べてAを順にまぶしつけ、みりんを振る。ラップを肉にぴったりと巻き、冷蔵庫で1時間おく。 (2)人参は皮をむいて1cmの輪切りに、紫玉ねぎは皮をむいて1cm幅のくし切りにする。 (3) 耐熱容器に(2)を並べる。その上に(1)を間隔をあけて置き、180℃に予熱したオーブンで20分、210℃に温度を上げてさらに5分焼いて取り出す。 取材協力:角谷文治郎商店(http://www.mikawamirin.jp/) (撮影=ローラン麻奈)
サルボ恭子