「死後離婚」したらこの地獄から解放された…夫を亡くした50代妻を苦しめた義父からの"信じられない要求"
■扶養や介護の義務がなくなる 一方、おそらく最も多いと思われるのが、「義理の両親との縁を断ちたい」という理由です。 「死後離婚」の手続きをとると、義理の親との姻族関係(親戚関係)が消え、扶養や介護の義務がなくなります。 ただ、冒頭にあげた事例のように、「介護をする約束と引き換えにマンションの頭金を出してもらっていた」といった場合、「約束が違う!」と大きなトラブルになることもあります。 「配偶者の死」をきっかけに、思わぬトラブルが浮上した、というケースは非常によく目にします。 夫が亡くなったとたん、これまで会ったこともない人が「夫の親戚」を名乗って現れ、「遺産を相続する権利がある」と主張して金品を要求する、といったケースも結構よくあるのです。 ■夫の急死をきっかけに、義父が要求してきたこと 配偶者の死をきっかけに、それまで問題なく付き合っていた親戚が、お金目当てで豹変する、という場合もあります。 都内に住む50代女性のCさんは結婚して24年。その間ずっと専業主婦として支えてきましたが、一人息子も昨年就職し、今後は夫婦水入らずだと思っていました。 と、そこに夫のがんが発覚。すい臓がんのステージIVでした。 半年後、懸命な治療のかいもなく夫は他界してしまいました。幸い都内にマンションを保有しており、夫の生命保険も入ってきたので、Cさんがすぐ生活に困ることはありませんでした。 パートの仕事はずっとしていたので、老後も遺族年金をもらいながらパートを続けていればなんとかなる。そう思っていた矢先、夫の父親(義理の父親)から連絡がありました。 「生命保険をもらったんだろう。少しお金を融通してくれないか」
■ギャンブルで借金を抱えていた 義父はお金に困っていたらしく、「Cさんは遺産と生命保険でお金を持っているはずだ」と踏んで、無心にきたのでした。 義父はお店を経営していましたが、コロナで経営が傾き、ギャンブルにはまり借金を抱えてしまったようです。 理由が理由だけに抵抗感がありましたが、これまでお世話になった人なので、50万円ほど援助してあげたそうです。 ただ、義父はこれに味をしめてしまい、その後もお金をせびりにくるので、Cさんは困ってしまいました。 手元には遺産と生命保険があるとはいえ、収入はパートしかありません。この調子でお金をせびられてはたまったものではありません。 ■「死後離婚」で悪縁を断ち切る そこでCさんが法律に詳しい友人に相談したところ、弁護士を紹介され、「死後離婚」の手続きを勧められました。 Cさんはその勧めに応じて役所に「姻族関係終了届」を提出し、「死後離婚」の手続きを取り、「義理の親の扶養義務」から解放されました。 これで、義父がお金をせびりにきても、支援してあげる理由が法的にはなくなったのです。 法律上は支払う必要がなくなったので、Cさんは以後きっぱり断ることにしました。 その結果、義父が無心に訪れることもなくなったそうです。 このように「悪縁」を断ち切る手段として、「死後離婚」を活用する場合もあるのです。