【高校サッカー選手権】総体予選の覇者・生駒、法隆寺国際を4-0で破り2年連続決勝進出
11月3日、第103回全国高校サッカー選手権奈良予選の準決勝2試合が橿原公苑陸上競技場にて開催され、今年の総体予選の覇者・生駒が法隆寺国際を4-0で破り、2年連続2度目の決勝進出を果たした。 【フォトギャラリー】 生駒 vs 法隆寺国際 総体予選を制した貫禄を見せつけた。試合開始直後から圧力を強めた生駒は、前半4分にキャプテンマークを巻くMF片山友樹(3年)のクロスを家根本裕太(2年)が頭で合わせて、幸先よく先制点をあげる。法隆寺国際は、10番のMF表屋陽(3年)を中心に、人もボールも動くアグレッシブなサッカーを展開し、4試合26得点と破壊力のある攻撃を武器にベスト4まで勝ち上がってきた。この試合でも、前線の選手を中盤の選手が追い越すような動きで、空きスペースへの進入を狙うが、対人戦で強さを見せる生駒のDFリーダー・久保田蒼大(3年)を中心とした守りに阻まれ、持ち味を発揮することができない。 次にスコアが動いたのは前半21分。2トップの一角に入る生駒FW上野日成(2年)が右サイドを突破しクロス。最後は逆サイドから走り込んだMF坂口亮太(2年)がゴールネットを揺らした。その後も右サイドの家根本のドリブル突破を中心に、再三法隆寺国際ゴールを脅かした生駒だが、追加点をあげることができず。生駒・古田泰士監督は試合後「中盤の選手は点数を取ってから逆に重たくなってしまった。あそこでもう一段いくぞというメンタルが必要ですよね」と反省を口にした。 その言葉通り、後半開始からは相手の攻撃を受けてしまった生駒。法隆寺国際が選手間の距離を修正し、テンポよくボールを動かし始めると、自陣内に押し込まれる展開が増え始める。ただここでずるずると後手に回らないのが、近年県内で結果を残している生駒のしたたかさ。昨年の決勝を経験している選手も多く残る中、冷静に試合を運ぶと、後半17分にはスペースに抜け出した交代出場のMF大下美智(2年)が、GKとの1対1を制して追加点。後半23分にはゴール正面から片山が思い切りのいいシュートを決めて、ダメ押しの4点目を奪った。最後は法隆寺国際が意地の猛攻を見せるも、要所で球際の強さを見せた生駒が守り切り、昨冬の選手権、今夏の総体に続き、3季連続となる決勝の舞台へたどり着いた。 夏の総体予選では、5試合1得点。決勝でも奈良育英の強力攻撃陣を相手に無失点と、県内では鉄壁を売りにしていた生駒だったが、今予選では2試合連続で失点。この日は大会初のクリーンシートを達成したものの、守備の要・久保田は「今日も良い守備はできなかった。組織として守れなかったです」と反省を口にした。古田監督も「最後の所は身体を張って守れているが、その前のところのDFが緩い」と、中盤における守備面の連動性を課題にあげた。 全国の大舞台での経験を糧にする。今夏の全国高校総体本戦では、初戦で強豪・青森山田を相手に0-3で敗戦。久保田は「やってみると全然違いました。フィジカルとか技術も高かった」と、レベルの高さを痛感したが、「それでもDF陣としてはやれるなという手ごたえはありました」と収穫も口にした。 決勝に向けてのキーワードは、久保田が試合後に課題にあげた「ハイラインと連動」。この日は、法隆寺国際のテクニカルなサッカーの前に持ち味のハイプレスを発揮できたとは言い難いが、「選手権という緊張感もあると思うし、芝生のコンディションや相手の問題もある。しっかりとメンタル面を整えて、来週に挑みたい」と古田監督。決勝の相手は3季連続で頂点を争う奈良育英。再びその鉄壁を取り戻し、夏に続く栄冠を狙う。 (文・写真=梅本タツヤ)