異例のヒット!かわいい手編みのハンカチ「ニッタオル」の魅力をmarshellさんに聞いた
“おしゃれなタオルハンカチが自分で編める” ことから人気に火が付き、真夏にもかかわらず編み物の本『手編みのハンカチ ニッタオル101』(日東書院本社)が異例の売れ行きを見せている。「ニッタオル」とはどんなアイテムで、何がそこまで手芸ファンの心を摑んだのか。著者でニット作家のmarshell(マルシェル)さんに聞いた。 【写真】ハート型、チェック柄、リス柄、丸モチーフ…とにかくかわいいmarshellさんの「ニッタオル」 ◆ ◆ ◆
2014年からニット作家としての活動を開始したというmarshellさん。 「小さい頃から編み物が好きでずっと続けていたのですが、育児のために退職して将来的に趣味を生かした仕事がしたいなと考えていた時に、ニット作家という仕事があることを知りました。一度きちんと勉強し直そうとハンドメイドのカルチャースクールに通い、3年ほどニッター(編み図通りに編み物を編む仕事)をして、資格を取得したのを機にニット作家としての活動をスタートしました。最初の2~3年は展示会などで作品を販売して、今は毛糸メーカーさんや出版社さんの依頼に合わせて作品を制作しています」 「ニッタオル」とは、タオルハンカチとニットを組み合わせた造語で、もともとは2021年に毛糸メーカーの担当者が考案したものだ。 「新型コロナウイルスの流行で手洗いが日常的になり、タオルハンカチを持つ人が増えたので、“自分の好きな柄で作れればいいな” と発想したのだと思います。手芸ファンの間で少しずつ認知が広がって、制作キットも販売されているのですが、書籍としてまとまったものは今回が初めてです。今は洗濯できる、吸水性がある、抗菌性があるなどいろいろな毛糸があるので、そうした糸を使用して作ることができます」
書籍を発売するにあたって心がけたのはどんなことなのだろうか? 「ニッタオルは初心者の方でも編める簡単な作品から、色や柄、編み方を組み合わせてさまざまなバリエーションが作れます。そうした楽しさが読者に伝わるよう、編集者の方と相談しながらできるだけ多くの作品を掲載しました。制作期間は作品のデザインに3週間、制作に1カ月ほどですが、セーターなどと違ってサイズが小さいので短期間で集中して作りました。表紙にはたくさんの作品を並べたのですが、パステルカラーの色合いがかわいらしく、タイトルロゴのデザインと合っていて目を引く仕上がりになりました」 満を持して発売した『手編みのハンカチ ニッタオル101』の反響は絶大だった。 「ありがたいことに、発売直後にAmazonの編み物部門で1位になりました。総合ランキングでも200~300位台に入り、手芸書では珍しいことだと聞いてうれしかったです。読者の方が “買ってみました” “編んでみました“ と作品をSNSにアップしてくださって、編集部にも初心者の方から “この編み方でいいですか” “糸はどこで買えますか” という声が届いているそうです。ニッタオルという新しいジャンルの手芸が新鮮だったようで、制作に協力してくれたニッターさんたちも喜んでくれました」