大相撲大阪場所、地元の宇良に観客が爆声援!初日から「大荒れ」に。1横綱4大関のうち、勝ったのは新大関・琴ノ若とカド番の貴景勝だけ
2024年3月10日、大相撲大阪場所が大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)で始まりました。「荒れる春場所」の言葉通り、上位陣がバタバタと…。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。 * * * * * * * ◆「荒れる春場所」 新大関・琴ノ若が誕生し、1横綱4大関2関脇2小結で初日を迎えた大相撲春場所。八角理事長(元横綱・北勝海)による初日恒例の協会挨拶は、その9人の力士が土俵に並び、豪華だった。 会場の大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)は、満員の観客による声援と歓声があふれて、ファンのエネルギーがテレビを通じてビシビシと伝わってきた。 「荒れる春場所」と以前から言われているが、大関の霧島と豊昇龍が破れ、結びで勝って土俵を締めてくれると思っていた横綱・照ノ富士が負けてしまい、「大荒れの春場所」のスタートとなった。 4大関の中で、最初に登場したのは琴ノ若。父親である佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は審判長として土俵下に坐っている。初優勝をして、祖父・琴櫻と同じく横綱の道を歩んで欲しい。琴櫻と同じ不知火型だと思うが、大きな体での土俵入りは迫力があると思うので、将来見てみたい。 琴ノ若は、前頭2枚目・熱海富士を当たったとたんにはたき込んだ。人気力士同士の対戦なのに、勝負のために土俵にいた時間が短すぎて残念だった。
◆声援大爆発! 初日の正面解説は舞の海さんだったが、もし熱海富士の師匠である伊勢ケ濱親方(元横綱・旭富士)が解説をしていたら、つぶやき調のお叱りの言葉をあびせることだろう。私は伊勢ケ濱親方の放送席からの熱海富士への弟子愛を隠したお叱り言葉のファンなのだ。 次に登場した大関は、8回目のカド番の貴景勝。前から痛めている首の状態が悪いと言われている。貴景勝がはたき込みで、前頭筆頭・朝乃山に勝利。こちらも人気力士同士の対戦なのに、土俵の滞在時間は短かった。 その次が凄かった。観客の声援大爆発!地元大阪府出身の前頭筆頭・宇良が登場。宇良が大関・豊昇龍を肩透かしで破った瞬間は、株価が最高値になったよりも凄い騒ぎだと感じた。 実況の太田雅英アナウンサーは「お見事でした!」と宇良の技を表現し、舞の海さんは「桜が満開になったようですね」と宇良の廻しの色に合わせたピンクのタオルや応援グッズが揺れるのを語った。 向正面の桝席の中の放送席にいる荒磯親方(元関脇・琴勇輝)は「鳥肌が立ちましたね」と、宇良の勝ち方と周囲の騒ぎを、まさに肌で感じたことを述べた。 負けた豊昇龍の顔には悔しさがモロに出ていた。 大関で最後に登場したのは、先場所綱とりに失敗した霧島。稽古を良くしているという情報から期待していたが、小結・阿炎の引き落としに敗れた。霧島も立合いからの土俵の滞在時間が短すぎた。攻防の末の結末であって欲しいものだ。 時短相撲で、その強さを見せて欲しいのは、照ノ富士だといつも思っている。2連覇により、自身の目標である10回目の優勝を果たして欲しいが、小結・錦木に敗れた。照ノ富士は上手を取ったので勝てると思ったが、相手も組んでいるのだ。錦木が腰の重さと逆襲の底力を発揮して、照ノ富士を寄り切った。
【関連記事】
- 愛人と知人に金をつぎ込んで借金を残した父が難病で寝たきりに。それでも母は「夫としてではなく、人間として介護をする」と言い続けた
- 統合失調症の兄が認知症を発症、途方にくれた私に救世主が現れた。死期が近づいた兄は「おまえは俺の妹だ。可愛いよ」と言った
- 照ノ富士が4場所ぶり9回目の復活優勝。本割で霧島に、優勝決定戦では琴ノ若に横綱相撲で圧勝。琴ノ若は大関昇進へ
- キートン山田『ちびまる子ちゃん』で乗り越えてきた<別れ>。さくらももこさんのお別れの会ではTARAKOさんと二人でナレーションを担当も、悲しさと寂しさで胸がつぶれそうだった
- 追悼・鳥山明さん。「国民的マンガ家を他社のプロジェクトに関わらせる」のは担当編集者が最も嫌がってもおかしくなかったのに…国民的ゲーム『ドラクエ』が生まれた背景