海外でもPBが話題の「業務スーパー」…世界中で売れてる「あの商品」の意外すぎる人気のワケ
これからの課題は「食育」
またOEM商品の「冷凍の納豆」、1リットルボトルの「醤油」や「うまみ調味料」といった調味料類。意外なところでは「食用油」も人気だとか。日本製でありながら安いことが売れている理由だと分析する。 「例えばイタリア産のパスタソースなど弊社が自社輸入した海外製のPB商品も安定的に売れてはいるのですが、やはり人気は日本で製造している商品。“日本の食は安全”といったイメージが強いことも理由だと思います。 とはいえ海外製の商品が売れないというわけではなく、“業務スーパークオリティ”への安心感で買ってくださる方が多いように感じています。 海外店舗で販売する商品には、日本から輸入した業務スーパーの商品であることが認識できるようラベルを貼っていますので、安心してお買い物をしていただけているのだと自負しています」 今後、食文化が異なる海外で店舗展開していくには、「より多くの人に日本の食品を使ってもらうための『食育が必要』」と西田さんは言う。 「例えば“めんつゆ”という調味料は、日本人なら麺を食べる以外にも、炒め物やどんぶりなど、さまざまな料理に使えることがわかります。ところが現地の人には『めんつゆは麺を食べるときに使うもの』でしかなく、ほかの使い道をイメージできません。 いろいろなアレンジが楽しめる日本の食文化を他国でも育て、かつ、SNSでのコマーシャルでブランディングしていけば、さらに販売数を伸ばしていけると思います。食育は今後の課題の一つですね」 ベトナムの場合、パートナー企業が14店舗を運営しており、同社は現地で卸売り事業やオンラインショップ事業も行っていることから、多様なチャンネルを用いて業スーの商品をベトナム全土に広めることができているという。 今後、ベトナムではさらに店舗を増やす予定で、FC展開などさまざまな可能性も視野に入れている。 「弊社の規模では、日本国内でもそうしてきた通り、一度に集客できる大型店舗ではなく、小型店舗をよりたくさん作るほうが合っている。それにはベトナムのような経済成長著しい国で店舗数を拡大していくべきだと思っています。 この“ベトナムモデル”を生かせば、ベトナムの近隣諸国、例えばカンボジアやフィリピンなどでも展開できると思うのですが、まずはベトナムの店舗を増やすことに注力したいですね」 取材・文:辻啓子
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