台湾の頼総統、太平洋島嶼国に初外遊へ ツバルなど3カ国 米国への立ち寄りは「計画中」
【台北=西見由章】台湾の総統府は22日、頼清徳総統が30日~12月6日の日程で、外交関係のある太平洋島嶼(とうしょ)国のマーシャル諸島とツバル、パラオの3カ国を訪問すると発表した。頼氏は5月の総統就任後、初の外遊となる。 欧米メディアはこれまで、頼氏が初外遊で米ハワイ州と米領グアムへの立ち寄りを検討していると報じていた。22日に記者会見した外交部(外務省に相当)の田中光次官は、米国への立ち寄りについて「関連する予定を詳細に計画中で、適当な時期に公表する」と述べるにとどめた。 中国外務省の林剣報道官は15日の記者会見で、頼氏の米国立ち寄りについて「米国が頼清徳の『通過』を認めて『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを出さないよう促す」と述べていた。中国は昨年4月、蔡英文前総統が中米歴訪で米国に立ち寄り米下院議長と会談したのを受けて、台湾周辺で軍事演習を実施した。 頼氏は12日3日にマーシャル諸島の国会で演説し、4日にはツバルに到着。5日にパラオを訪れ、11月の大統領選で再選を果たしたウィップス氏と会談する。 台湾は現在12カ国と外交関係がある。このうち太平洋地域では中国の働きかけで今年1月にナウルが断交し、外交関係を維持するのは3カ国となった。一方、中南米とカリブ諸国では7カ国と外交関係を持つ。蔡英文前総統と馬英九元総統はいずれも初外遊先が中南米だった。