エヌビディア、新AI半導体需要旺盛-売上高見通しは高い期待下回る
フアンCEOはブラックウェルが現在「フル生産中」だと述べ、その前のデザインである「ホッパー」にもなお需要があることを明らかにした。
しかし、ブラックウェルへの切り替えは収益性に打撃を与えている。粗利益率は前四半期の75%から今四半期は73%にまで低下する見通し。新製品がより大規模に量産される段階に入り経済性が改善すれば、粗利益率は回復する見込み。
それでもエヌビディアの過去2年間の成長は驚異的で、売上高は2年連続で倍増する勢いを見せている。
8-10月(第3四半期)の売上高は、94%増の351億ドル。1株利益は一部項目を除いたベースで81セントだった。アナリストらは売上高を約332億5000万ドル、1株利益を74セントと予測していた。
最大の事業部門であるデータセンター部門の売上高は、前年から倍増し308億ドルとなり、ウォール街の予測を上回った。
だが、同部門内のネットワーキング関連の売上高は連続で減少し、同事業はこれまで以上に少数の顧客グループに依存するようになっている。クラウドサービスを手掛けるマイクロソフトやアマゾン・ドット・コム傘下のAWSを含む顧客グループは、データセンター売上高の50%を占め、前四半期の45%から拡大した。投資家はこの割合が低下しAI利用が経済全体に広がりつつある状況になるよう期待している。
同CEOは発表資料で、「AIはあらゆる産業、企業、国を変えつつある」と指摘。「フィジカルAIの画期的な進歩により、産業用ロボットへの投資が急増しており、各国は自国のAIとインフラを開発する重要性を認識し始めている」と述べた。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は、業績見通しを巡る懸念は短期的なものにとどまると予想。「エヌビディアの予測では、第4四半期の売上高は現在のコンセンサスを約1%上回る見通しだが、これは最も楽観的な市場予想を下回る。ただ、2026年会計年度のブラックウェルの大幅な増産と利益率安定化を会社側は予想していることから、同社の強固な長期的ファンダメンタルズに焦点が移る可能性がある」と分析した。