エヌビディア、新AI半導体需要旺盛-売上高見通しは高い期待下回る
(ブルームバーグ): 人工知能(AI)向け半導体メーカー大手エヌビディアは20日、新製品ラインで同社のAI主導の成長が維持できると投資家に請け合ったが、予想以上にコストがかかっていることも示唆した。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は四半期決算発表後、待望の次世代AI半導体「ブラックウェル」には「非常に旺盛な」需要があり、今四半期に出荷されると述べた。だが、生産とエンジニアリングのコストが利益率を圧迫する見通しで、今四半期の売上高見通しはウォール街のより楽観的な予想の一部に届かなかった。
これに対する投資家の反応は冷ややかで、株価は時間外取引で一時約2%下落した。決算発表を前に同社の株価は今年に入り200%近く上昇し、時価総額で世界最大の企業となっていただけに、突出した好業績でなければ失望を招くことは確実だった。
発表資料によると、2024年11月-25年1月(第4四半期)売上高は約375億ドル(約5兆8300億円)を見込む。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は371億ドルで、最高410億ドルの予測もあった。
フォレスター・リサーチのアナリスト、アルビン・グエン氏は「ガイダンスは成長鈍化を示しているようだが、エヌビディアが慎重になっているのかもしれない」と述べ、「短期的にはAI需要に心配は不要だ。エヌビディアはやるべきことをすべてやっている」と付け加えた。
同社の最大の収益源はアクセラレータチップだ。22年にオープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」が登場して以来、AIサービスが急拡大し、同製品に対する需要がとどまることのない状況となっている。
ウォール街は、より高速で他の半導体との連携能力が向上した同カテゴリーの最新製品であるブラックウェルの発売を注視している。ただ、製造上の問題で市場投入は遅れており、同社は20日に再び、供給の制約について警鐘を鳴らした。製品需要は数四半期にわたって供給を上回る見通し。