60歳で定年退職後、年金を受け取る65歳まで「無収入」になるので不安です…「再雇用」してもらうべきでしょうか?
60歳で定年退職する方は少なくありません。しかし、年金を受け取れる年齢は65歳からのため、60歳で退職すると、5年間は無収入になります。 そうした事態を避けるために有効な方法が、再就職や再雇用、定年延長です。60歳以降も働き続けられるため、年金を受け取るまでの間も収入を得られます。ただし、再雇用や定年延長は同じ会社で働くという点では同じですが、内容が少し異なるため、注意が必要です。 今回は、定年後も働き続けたい方の割合や、定年後に働く方法などについてご紹介します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
定年後も同じ職場で働きたい方はどれくらい?
仕事を辞める基準のひとつに、定年があります。定年になれば退職金を受け取り、貯金と年金だけで暮らしていくことになりますが、貯金と年金だけでは生活費が足りないケースも少なくありません。ほかにもさまざまな事情で、定年後も働きたい方は多くいます。 株式会社リクルートが運営するジョブズリサーチセンターが、55~74歳の方に対して行った調査では、37.8%の方が「ぜひ就労したい」「やや就労したい」と回答しました。さらに、定年退職後も現在の勤務先で働きたいと回答した方は全体の60.5%です。 もし定年後も同じ会社で働きたい場合は、会社が再雇用や定年延長のどちらかに対応しているかを確認しておきましょう。
定年後も働くための選択肢
定年後も働くための選択肢としては、新たな職場へと就職する再就職、一度退職したあとに同じ会社で再び雇用してもらう再雇用、定年自体を遅らせる定年延長があります。定年後に再就職する場合は、人材紹介会社を利用したり、知り合いに仕事を紹介してもらったりすることも方法のひとつです。 さらに高年齢者雇用安定法(高年齢者等の雇用の安定等に関する法律)第9条では、65歳までの雇用機会を確保するために、以下のどれかを実施することを会社側に義務付けています。 ●当該定年の引き上げ ●継続雇用制度の導入 ●当該定年の定めの廃止 つまり、再就職をしない場合は、同じ会社で働くことも可能です。定年が引き上げられるのか、再雇用の形になるのかは、会社側に確認しておきましょう。 ■再雇用と定年延長の違い 再雇用も定年延長も、同じ会社で60歳以降も働き続ける点においては同じです。一度退職しているのか、退職せずにそのまま働き続けているのかの違いがあります。 再雇用制度の場合は、働いている方が希望すれば、一度退職をしてから、再び同じ会社で雇用してもらえる点が特徴です。先に退職をするため、退職金も再雇用される前に受け取ることになります。 いっぽう、定年延長とは名前の通り、定年自体を遅らせる方法です。退職をせずに働き続けますので、退職金を受け取るタイミングも延長されます。