【プレミアプレーオフ】“ヴェルディ”らしさを取り戻し、富山U-18に逆転勝ちで11年ぶりのプレミア復帰
12月8日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2024プレミアリーグプレーオフ(参入戦)のAブロック・決勝戦が行われ、東京ヴェルディユースはカターレ富山U-18と対戦。前半にリードを許す展開となったが、後半に巻き返して2-1で逆転勝利を収めて11年ぶりのプレミアリーグ復帰を決めた。 【フォトギャラリー】東京ヴェルディユース vs カターレ富山U-18 序盤から東京Vユースは相手に主導権を握られ、攻め込まれるシーンが頻発。高い位置からプレッシャーをかけられ、思うようにボールを繋げない。中盤で競り負け、セカンドボールも拾えなかった。4-3-3のアンカー脇を使われ、ショートカウンターでピンチを何度も迎えてしまう。サイドを崩され、ヒヤリとするシーンは一度や二度ではなかった。24分にはMF折橋蓮(3年)の右サイドからアーリークロスを入れられ、MF長谷川岳久(2年)にファーサイドでヘディングシュートを打たれてしまう。これが決まり、リードを許す展開となった。 挽回したい東京Vユースはサイドから仕掛けるが、単調な攻めに終始。左ウイングのFW川村楽人(3年)が個人技で打開するが、ゴールを奪うまでには至らなかった。 迎えた後半。流れを変えるべく、2人の選手をピッチに送り込む。右サイドの守備を修正するべく、右SBにDF小林健(3年)を投入。攻撃ではFW仲山獅恩(2年)を入れ、前線でタメを作るために手を打った。この策が見事にハマり、開始50秒でスコアが動く。小林が右サイドから前線にボールを入れると、MF井上寛都(3年)がGKとの1対1を制してネットを揺らした。勢いを取り戻すと54分、観衆が驚く衝撃のゴールが生まれる。ハーフラインの手前でボールを奪った仲山が自ら運ぶと、GKのポジションを見てロングシュートを選択。45mほどの距離から放たれた一撃は綺麗な弧を描き、見事にゴールに吸い込まれた。 逆転に成功すると、以降もテンポの良いパス回しで相手の守備網を攻略。守備でもキャプテンのCB坂巻悠月(3年)を中心に粘り強い、相手に付け入る隙を与えない。攻守ともに“ヴェルディ”らしさを取り戻し、歓喜の瞬間を迎えた。 「後半は自分たちの成長を見せることができた」とは薮田光教監督。1年を通じて安定した成績を残した一方で、堅守速攻の相手に苦戦する試合も珍しくなかった。だが、そうした過去の経験を踏まえ、チームは試合中に修正。そうした体験が大一番でも生きた。 来季は11年ぶりにプレミアリーグで戦う。新たな扉を開いたチームはどんな戦いを見せるのか。今季主力を担ったMF今井健人(2年)や、世代別代表歴を持つMF仲山獅恩(2年)、MF今井宏亮(2年)、FW山田将弘(2年)を中心に次のステージに歩みを進めていく。 (文・写真=松尾祐希)