付録付きムックでお馴染み…宝島社が「シニア向けヘルス路線ムック」の開発を進める納得の訳
「基本的には出版社のアイテムですので、医薬品ではなく、雑貨扱いとなるため、表現や訴求の仕方には大変気を使っております。アイテムによっては東京都庁の医療・薬事などの第三者機関チェックも経て商品化を進めています。 例えば、腹巻ダイエットでは、『巻いたら痩せる』とは言えないんですね。痩せるという表現を使わずに伝えるために『スッキリ』という言葉を使用しています。 また、マッサージでは『ほぐす』『ほぐれる』も使えない。書籍ではOKでも、グッズ系ではもう少し厳格になるので、『ボディケア』などの言葉にしています」 また、そのアイテムや分野の開発・製造に長けた業者に依頼した上で、「使えるかどうか」は企画者などが自ら試しているという。 「例えばステッパーをグッズにしたら買っていただけるかを検証するため、類似商品やサンプルを取り寄せ、実際に編集部員や自分の家族などに使ってもらって感想を聞くところがベースですね。 その中で、付録として商品化が難しいと思うものはどんどん除外していき、使えそうなものは社内に確認を取りながら商品化していきます」 ◆書店の利用者は50代以上の方が多い…… ステッパーは「座ったまま」できることが大きなポイントだが、同様の視点で開発されたのが『60代からのらくらく健康習慣! 座るだけ! イス型バランスボールBOOK』だ。 「通常の丸いバランスボールと違い、勝手に転がらず、安定感のあるイス型にして座りやすくしたら、シニアの方が使っても転倒しにくいだろうということをベースに考えました。また、インテリアに馴染む落ち着いた色合いにしたのもポイントです」 また、『よく聞こえる! イヤホン式でらくらく! ポケット集音器 BOOK』も発売。 「テレビの音がよく聞こえるスピーカーが何年か前に出ておりまして、それがアイデアの発端だったんですが、そうしたスピーカーを作るのが難しかったので、調べているうちに集音器という発想に至りました」 高田さんがシニア向け健康系の付録付きムックを手掛けるようになった理由は、「書店の利用者は50代以上の方が多いこと」「健康は普遍的な永遠のテーマであること」などから。 「人生100年時代の視点を自分の仕事に加えたとき、何か新しいものができるのではないかと考える中で、自然に健康系アイテムを思いつきました。 それと、以前は、『MonoMaster』という50代以上の男性向け情報誌を作っていて、取材で60代70代の方にお会いする機会が多かったんですね。その世代の方には、健康に気を使われていたり、趣味で散歩をなさっていたりする方が多く、高齢世代の健康意識に触れてきた経験も影響していると思います」