〈カナダは米国の51番目の州になるのか?〉トランプの「米国第一主義」は領土の「拡張主義」へ「グリーンランド、パナマ運河、カナダが標的に」
米国第一主義は領土の「拡張主義」か?
米CNNによれば、トランプは「メディアの注目を集める」「支持基盤を活性化させる」および「ディールをまとめるために先制攻撃を行う」ために、上記のような発言をする傾向がある。確かに、交渉を有利に進めて、目の前のディールを成立させるための戦術としてみることができる。 しかし、トランプのディールの戦術は、同盟国や友好国の主権や国境を軽視したものであり、彼らとの関係悪化を招くものである。大統領選挙期間中、「米国が再び世界から尊敬されるようにする」とのトランプの主張とはほど遠い。 トランプの第1期の「米国第一主義」は、「不干渉・不関与」の孤立主義的な色が濃いと見られていたが、「グリーンランド購入」「パナマ運河の管理権返還」と「米国の51番目の州としてのカナダ」に関する発言は、領土の「拡張主義」であると解釈できる。トランプの新しいバージョン「トランプ2.0」では、「米国第一主義」は「拡張主義」を取り込んで行くのか。 仮にそうなれば、国際上、「武力のプーチン」と「ディールのトランプ」は、手法は異なるが、到達地点は同じであるがために、極めて危険な米国のリーダーが返り咲くことになる。
海野素央