「ハネムーン期間」なきトランプ政権 就任100日で見えてきた変化と課題
アメリカでは大統領就任から最初の100日間は「ハネムーン期間」とされ、大統領の政策や行動を市民やメディアがある程度、好意的に見る伝統があった。しかし、1月20日に就任したトランプ大統領は、就任前からメディアや反トランプ派の市民と「戦争状態」にあり、就任直後からトランプ政権が打ち出した政策の多くが批判の対象となった。大統領就任から100日。トランプ政権の政策にはどのような進展や変化があったのだろうか。 【写真】大統領選前に相次ぐサイバー攻撃 関与を指摘されるロシアとトランプの関係
トランプ支持者間の人気はほぼ変わらず
先月29日に就任から100日を迎えたトランプ大統領。同じ日にホワイトハウス記者会が主催した毎年恒例の夕食会には出席せず、昨年の大統領選挙で激戦区となったペンシルバニア州で多くの支持者を前に演説を行った。1921年から始まった夕食会は毎年4月の最後の土曜日に行われ、これまでに数回だけ大統領が出席しない年があったが、大統領が出席しなかった夕食会は1981年以来となる。この年の3月、当時のレーガン大統領は暗殺未遂に遭い、電話で夕食会にメッセージを寄せていた。大統領就任前のトランプ氏も夕食会に出席したことはあるが、今年の夕食会は早い時期から欠席を表明しており、ペンシルバニア州の政治集会では演説の中でCNNやニューヨークタイムズ紙を「フェイクニュース」として声高に非難した。 先月後半にギャラップ社が行った最新の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は41パーセントとなっており、これまでで最低だった先月初旬の38パーセントから上昇を見せたものの、就任からこれほど低い数字が続く現状は極めて異例だ。トランプ大統領の支持率が最も高かったのは大統領就任直後であったが、その時ですら45パーセントにしか過ぎず、50パーセントに達したことはこれまでに一度もない。 アメリカ社会全体では支持率がなかなか上昇しないトランプ大統領だが、トランプ支持者の間における人気は揺るいでいないことも判明している。ワシントンポスト紙とABCニュースが先月行った調査では、昨年の大統領選挙でトランプ氏に投票した有権者の96パーセントが、「トランプ氏に投票したことを後悔していない」と回答している。