PGAツアー開幕戦優勝で期待が高まる今シーズンの松山英樹と日本勢の活躍
出場者が昨シーズンの優勝者と、フェデックスカップランキング上位50名などに限られる「プランテーションコースatカパルア」(トーリーパインズGC/。米ハワイ州)。最終日、単独首位でスタートした松山英樹選手は、1イーグル、7バーディー、1ボギーの「65」をマーク。2022年のこの大会でキャメロン・スミスが記録した72ホール最多アンダーパー記録を1打更新するトータル35アンダーで優勝を飾りました。 【動画】松山英樹がトータル35アンダーPGAツアー記録を達成し通算11勝目【2025ザ・セントリー4日目】 松山選手の優勝は、昨年8月の「フェデックス・セントジュード選手権」以来でPGAツアー通算11勝目。年明け早々、日本のゴルフファンを熱狂させた同大会を、ゴルフネットワークで解説を務めた佐藤信人プロに振り返ってもらいました。
「素晴らしさを言葉で表現するのは難しい」松山英樹の記録的勝利
実に見事な優勝でした。その素晴らしさを言葉で表現するのは難しいのですが、4日間を通じて隙が全く見えず、35アンダーという新記録が示す通り、まさに圧巻の勝利でした。 まず、勝因の一つになったパターの話から。開幕戦でいきなりセンターシャフトを手にしていたことに我々も驚かされました。これまで松山選手があのタイプのパターを使ったのを見たことなかったからです。パットに関しては、昨シーズンから安定していて、どんなパターを使っても大丈夫だと思っていましたが、まさかセンターシャフトを手にして出てくるとは。果たしてその効果は絶大で、ストロークゲインド・パッティングを見ても、4日間すべてプラス。非常に安定していました。 松山選手の場合、ショットに関しては序盤の調子が悪くても、徐々に調子を上げてくるので、ほとんど心配をしたことがないのですが、その上にこれだけパットが決まれば、まさに向かうところ敵なしといったところでしょう。 ショットに関しては、何度か手を離すシーンもあったのですが、今回はミスの範囲が狭く、本人の中で、「左へ行ってしまった」と感じたショットでも、フェアウェイの左端で止まっていたり。本人の仕草ほど、見ている我々の方は不安を覚えませんでした。プランテーションコースatカパルアは、ショートアイアンとパットの出来が勝負のポイントになるコース。そこをしっかり抑えていたのだから、優勝は当然のことといってもいいでしょう。 展開としては、終盤、コリン・モリカワに2打差まで詰め寄られましたが、16番のセカンドショットで引導を渡す形となりました。あの場面、グリーンを捉えきれずにショートして、手前からアプローチをするというのが最悪のシナリオなので、ワンピン程度奥に付けておくというのが定石。ところが松山選手は、ピンをデッドに狙ってほぼOKバーディーの位置に。松山選手の真骨頂を見せてもらったような気がしました。 開幕からいきなりこのような素晴らしいプレーを見せられると、シーズンに向けての期待はさらに膨らみます。メジャー2勝目、さらに、“無敵”スコッティ・シェフラーを脅かす存在になり、ワールドランキング1位に…。今回の松山選手を見ていると、それらが夢物語ではないような気がしてきます。