Copilot+PCで何ができる? Microsoft Build Japanでおさらい - 阿久津良和のWindows Weekly Report
話は少々脱線する。Microsoft Azure経由でAzure AIサービスを活用する組織はグローバルで5万3,000社を超えているが、三分の一が新規ユーザーだという。当然ながらクライアントはWindows PCに限らず、スマートフォン/タブレットを想定するケースも珍しくない。 一見すると不利な状況だが、日本マイクロソフトはLL(大規模言語モデル)やSLM(小規模言語モデル)をサービスやアプリで使用する「Windows Copilot Runtime」の有用性を強調した。 文字どおりWindowsを対象にLLM/SLMをローカルから参照するための基盤であり、前述のデモンストレーションもWindows Copilot Runtimeを用いている。 必然的にWindowsのシェアが重要になるが、OSシェアに関して同社は「重要なポイントと認識している。我々も考えていきたい」(岡嵜氏)とお茶を濁したが、Microsoftのコンシューマー向け戦略がWindowsではなく、AIであることは明らかだ。 本イベントの性格上、開発者向けの主張が多かったものの、Windowsの未来が見え隠れしたと述べると言い過ぎだろうか。ひとまず数年間はNPU搭載モデルと非搭載モデルの分離が続きそうだ。
■ 著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。
阿久津良和