1台1台異なる冷蔵庫を生産、パナソニック草津工場の品質の秘密を探る
次に案内されたのは、コンプレッサーと配管のつなぎ目のロウ付けが確実に行われているかをチェックする工程。ロウ付けがしっかり行われていないとガスが漏れてしまうため、とても重要な工程だそうです。そのため、この作業を担当するのは社内の認定試験に合格した有資格者のみ。ガス漏れが発生したときにガスが滞留することのないよう、作業スペースは1メートルほど高い位置に設けられていました。ガスの漏出があった場合は、ただちに光と音で警告が発せられるそうです。この検査は全数検査が行われています。
庫内のガラストレーやケースの取り付け工程を横目に見ながら、次の作業場に移動します。庫内のパーツは、高い位置のものから順番に取り付けていくのだそうです。1台1台違う機種なのでどのパーツを取り付ければよいのか迷ってしまいそうですが、いくつも並んでいるパーツのうち、次の製品に取り付けるべきもののランプを光らせるなどして、すぐにわかるようにしています。
次に見学したのはドアの取り付け工程。とくにビス締め工程は、ドアが開閉時に外れてしまっては危険なため、重要です。ここではビス本数不足や締め付け強度不足、斜め締め付けなどを検出できる特殊なドライバーを使って作業を行い、NG判定となった場合はラインが自動停止するようになっているそうです。
続いては組み立て後の製品の最終チェックする工程を見学しました。ドアや庫内の傷、開閉のスムーズさの確認など、機械ではチェックが難しいものを人間の眼でチェックしています。
■真夏や真夏の室内を試験室で再現してテスト。ドアにはガラス瓶をぶつける! ここまでは実際の製品生産ラインの見学でしたが、このあとは開発時の試験などを行うエリアを見ることができました。見学できたのは高温/冷温下での冷却性能の試験、ガラスドアの強度試験、ドア開閉の耐久試験の3つです。 高温/冷温下での冷却性能の試験は、温度を管理できる試験室内に冷蔵庫を設置して行います。高温の試験室では、室温が高くても冷却性能に問題がないかを確認します。逆に低温の試験室では、霜付きなどを確認します。これらの試験は通常、設計~量産前の段階で行うことが多いのだそうです。