1台1台異なる冷蔵庫を生産、パナソニック草津工場の品質の秘密を探る
また、先にメディアへの公開はおそらく初めてとのコメントを紹介しましたが、地域貢献の一環として2007年から小学生の向上見学を受け入れており、のべ65,000人以上が草津工場を訪れているそうです。 現在、パナソニックの冷蔵庫は「収納庫」「保存庫」としての機能の強化・改良に加え、「調理への活用」もその機能のひとつとして開発されています。デッドスペースになりやすい最上段奥を活用する「トップユニット方式」、スムーズな開閉ができる「ワンダフルオープン」、環境負荷を低減する新ウレタン発泡剤の採用、AIカメラによる食材管理&レシピ提案といった新フィーチャーにより、社会・地球全体の「食」「食文化」を支えていくことを目指しているそうです。
■1台1台異なる機種を生産するミックス生産。現場の人は間違えないの? 太田氏によるプレゼンテーションのあと、実際の生産現場の見学となりました。 工場スペースの入り口には、過去のパナソニック製冷蔵庫の一部機種が展示されていました。残念ながら展示機の中に家庭用第1号機はありませんでしたが、草津工場の操業開始が創業を開始した1969年に発売となった「NR-180FF」がありました。
工場内で最初に見学したのは、冷蔵庫の基本部品の組み立てを行うライン。断熱材を充填済みのキャビネットに、ダクトや冷却器のような機械・風路パーツ、ガラストレイやケースのような庫内ブロックを組み付け、最後にドアを取り付けます。
今回の見学ルートでは断熱材を充填するところを見ることはできなかったのですが、冷蔵庫の庫内温度管理のひとつのポイントになるだけに気になるところ。工場側でもそれを理解してか、ガラス容器内で断熱材を発泡させるデモを行い、目の前で液体から泡が出てふくらみ、ほどなく固まるところを見せてくれました。このデモではシンプルに発泡して膨張し、固まるだけでしたが、実際の充填にあたっては外箱と内箱の間の空間に隅々まで均等に重点する必要があります。そのためには、発泡をコントロールするための温度管理、泡を誘導するための空気の吸引、正確な寸法で発泡させるための治具といったさまざまな技術があるそうです。