世界のサンゴ44%が絶滅危機、日本近海は178種…16年間で大幅増「ガス排出の大幅削減を」
【バクー=天沢正裕】各国政府や自然保護団体などでつくる国際自然保護連合(IUCN)は13日、世界のサンゴの44%にあたる約390種が絶滅の危機に直面していると発表した。2008年に行われた前回の発表では「3分の1」を絶滅危惧種としていたが、大幅に増えた。サンゴは海水温の変化に敏感な生物で危機は気候変動が主な原因になっているとして、温室効果ガスの排出量を大幅に削減するよう求めた。
アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)にあわせて発表された。
IUCNは絶滅の恐れがある動植物をまとめた「レッドリスト」の最新版を10月に公表しており、これを基に熱帯や亜熱帯海域でみられる892種のサンゴの状況を集計した。カリブ海に生息するサンゴは、温暖化や水質汚染、ハリケーンなどの影響で個体数が著しく減少した。日本近海では461種のうち、絶滅危惧種が「スギノキミドリイシ」や「トゲスギミドリイシ」など178種に上っている。
IUCNのグレーテル・アギラー事務局長は「サンゴ礁は食糧供給や海岸線の安定に役立っており、人間の生活に不可欠だ。人類が持続可能な未来を確保するには、大胆かつ断固とした行動を取らなければならない」とコメントした。