“口寂しい”ときのお供がガムからグミに!?あめ、チョコ派もリピーターになるグミ市場の快進撃
「グミは伸びる余地がある」
グミは商品数が増えていることも、消費者へのアピールにつながっている。 都内にある食品スーパーのバイヤーは「SKU(商品の最小管理単位)は拡大傾向にあり、今後も成長するカテゴリーと判断している」と話す。 また、大手コンビニエンスストアの担当者は「店のレイアウト変更のたびに、グミは売り場を広げている。ガムは逆に、これ以上減らせないぐらいのところまで、売り場面積を減らしてきた。ガムは右肩下がり、グミは右肩上がりの構図は、コロナ禍で決定的になった」と見る。 また、カンロの村田哲也社長は「グミの購入率は、10年間で6ポイント程度しか伸びず、現在4割台。逆に飴の購入率は少し落ちているものの6割台。10代は、飴よりもグミを購入する傾向にあるが、10代以外の世代は飴を買う傾向にあり、グミはまだまだ伸びる余地がある」と見ている(2023年7月27日の中間決算発表会での発言)。 グミとガムを比較する場合、「ゴミ」との関係も無視できない。 ガムが支持されてきたのは、かむと気分のリフレッシュや眠気覚まし、歯の健康への配慮といった便益があったためだ。だが、最近はガムのデメリットが目立つようになってきた。 口からガムを吐き出すことに対するネガティブなイメージや、ガムのゴミを処理する煩わしさが増大したのだ。 白鳥和生 1990年に日本経済新聞社に入社。『日経MJ』『日本経済新聞』のデスクを歴任し、2024年2月まで編集総合編集センター調査グループ調査担当部長を務めた。その一方で、国学院大学経済学部と日本大学大学院総合社会情報研究科の非常勤講師として「マーケティング」「流通ビジネス論特講」の科目を担当。日本大学大学院で企業の社会的責任(CSR)を研究し、2020年に博士(総合社会文化)の学位を取得する。2024年4月に流通科学大学商学部経営学科教授に着任する
白鳥和生