いよいよ来年に迫った「バイクの2025年問題」! その概要とは
まだ知らないユーザーも多い? 迫りくるバイクの2025年問題とは
巷で話題となっている"バイクの2025年問題"というワード。このワードには、2020年頃から順次施行されている排ガス規制が関係しているといいます。 【画像】「えっ…!」これがバイクの「2025年問題」の実態です(10枚) 車両などから出る排ガスによる環境破壊を防ぐことが目的である排ガス規制は、世界で最も厳しいとされているヨーロッパの排ガス規制「EURO5(ユーロ5)」に基づき、日本でも同基準の排ガス規制が導入され少しずつ厳しくなっています。
では、すでに施行されているEURO5並みの排ガス規制であるにも関わらず、巷で話題となっているバイクの2025年とはどのようなものなのでしょうか。 実は日本でEURO5同等の新排ガス規制が施行されたのは2020年12月から。以前からあったEURO4基準の排ガス規制と比べてEURO5は格段に厳しくなったことから、当時は話題になりました。 全排気量の新型車の生産条件が、EURO5同等の排ガス規制をクリアしたものでなければならないといった内容の規制がなされ、さらに2022年からは継続生産されている車両も対象となったことにより、多くの歴史あるバイクが生産終了を迎えることになったようです。
なお、新排ガス規制は全排気量を対象としていましたが、原付一種と呼ばれる50ccまでのバイクについては、構造上や生活の利便性、需要などにより例外とされ、2025年11月から新排ガス規制の対象となることになりました。これが。巷で話題の2025年問題といわれるものです。 では、新排ガス規制が原付にも施行されるとどのようなところに問題が出るかというと、ガソリンエンジン搭載の原付一種が全く生産できなくなるという点にあります。 原付の構造上、EURO5基準に基づく排ガス基準をクリアすることは非常に難しいといいます。またそれだけでなく、「OBD Ⅱ」と呼ばれる装置の搭載が義務付けられていることも問題の一因のようです。 OBDⅡとは、「On Board Diagnostics(車載式故障診断装置)」のこと。車体に何かの異常が発生した場合チェックランプなどでライダーにいち早く知らせ、整備工場では専用の診断機を繋げることで、どこが故障しているかをいち早く確認することができる機能を持つ装置です。 このOBDⅡには、排ガスを浄化する装置を監視する役割も持っているため、新排ガス規制では搭載が義務づけられているようです。しかしOBDⅡは非常に高価であるだけでなく、原付への搭載は取り付けスペースなどの問題もあり難しいとされています。 さらに原付に搭載できたとしても、車体価格が非常に高価になってしまうという問題も生じます。そうなると、原付は安価で手に入りやすく、生活の足になりやすいという枠からはみ出してしまう恐れがあります。 つまり、これもバイクメーカーが生産に踏み切れず、原付が生産できない理由と言えるでしょう。 こうした状況を打破するため、新排ガス規制が施行される2025年11月までに、原付に変わる「新基準原付」と呼ばれる区分を新規で設けようとする動きもあるそうです。