「地震さえなければ100歳まで生きられた」98歳母親の災害関連死、息子悔やむ「避難所生活で言葉を発しなくなり、ご飯を自分で食べられなくなった」2次避難しない『選択の理由』を被災者に聞く【能登半島地震:取材リポート】
現在も一時避難所に居る人は6724人
珠洲市宝立町に残ることを選んだ80代男性も、「2次避難所に行くと、帰ってきたときに避難所に入るところがなくなっているのではないか。行くところがなくなったらどうしよう、という思いもある。あとは地元の情報が入ってこなくなるのは一番困る。地元がどうなっているのか、一番知りたいことだから」 ほかの人に話を聞いても、住み慣れた町を離れたくない、情報が入ってこないことが嫌、被災者同士で話ができることが支えになっている、など理由は様々ありました。 しかし、発災から約1か月経った避難所では課題が山積みでした。プライバシーを守るための仕切り板がなく、広い部屋で雑魚寝が続いている場所も多くありました。「災害関連死」を防ぐためにも避難所の環境改善も大きな課題となっています。 避難者(89)「お互いが気を遣って、身体っていうよりも心的というか、精神的な疲れが出てくるんじゃないかな」 避難者(64)「疲れますよ こうやっているのが疲れる」 避難者(89)「大変だけど、どこにも行くところがないし仕方がないです。寝むれないときもあります いろいろ考えると」 能登半島地震による死者は242人、そのうち災害関連死は15人います。また1か月以上たったいまも、市や町の一時避難所に居る人は6724人います(いずれも2月15日時点)。 復興に向けた動きが長期化する現場で、被災者の選択に沿った支援が必要となっています。(MBS報道情報局 記者 柳瀬良太)