自民党で加速する「岸田離れ」怒る麻生副総裁、1度ならず2度も恥かかされ…9月の総裁選へ出馬危機の憶測も
【ニュース裏表 安積明子】 自民党麻生派の斎藤洋明元総務政務官が16日、新潟県新発田市で開いた政治資金パーティーで、岸田文雄首相の退陣を暗に求めた。 【イラストでみる】「小石河」3氏、「ポスト岸田支持率」は? 来賓として講演した派閥領袖(りょうしゅう)の麻生太郎副総裁も、政治資金規正法改正に触れ、「将来に禍根を残す改革だけはやっちゃいかん」と、岸田首相に苦言を呈した。 2021年の総裁選で岸田首相を支持した麻生派だが、「岸田離れ」が深刻だ。 イタリアで行われたG7(先進7カ国)首脳会議を前に、岸田首相は麻生氏を食事に誘ったが、麻生氏はそれに応じなかった。そして、岸田首相が国内不在のなか、まるで見せつけるかのように、総裁選出馬に意欲満々の茂木敏充幹事長と会食した。 麻生氏が怒る原因は、岸田首相の〝暴走〟だ。今年1月、何の相談も根回しもなく派閥解消を宣言した。規正法改正案でも、麻生氏らの反対を押し切り、政治資金パーティー券購入者の公開基準額を「5万円超」とする公明党の主張を受け入れた。 1度ならず、2度も恥をかかされたのだから、許せるはずがない。 「岸田首相は次期総裁選で、20人の推薦人を集められない」 永田町でこんな噂が流れるのも、岸田首相と麻生氏に生じた〝溝〟を見て取ってのことだろうか。 岸田首相が、地方組織の声を聴くとして主導した「政治刷新車座対話」では、厳しい批判が相次いでいる。5月21日、横浜市で開かれた車座対話では、あまりに厳しい政権批判が続出したため、平井卓也広報本部長がうっかり、「(9月の総裁選で)リセットできる」と発言する始末。だが、これは本音に違いない。 同じ思いを抱くのが公明党だろう。石井啓一幹事長は3月、BSテレ東の番組で、「(新たに)選ばれた総裁は非常に支持率が高くなる」と発言して物議をかもした。 後に、石井氏は「一般的な感覚を申し上げた」と、〝ポスト岸田〟の意図を否定したが、ある公明党関係者は、こう打ち明ける。 「来年7月には、参院選と都議選がある。衆院選を行うなら、年内が望ましい。しかし、岸田首相の下で衆院選は戦えない。次期総裁選では、岸田首相以外が選ばれるべきだ」