舛添都知事が訪韓 「自治体外交」にはどんな意義があるの?
カーター元大統領の成功例
カーター元米大統領は1994年に北朝鮮を訪問し、それまで疎遠であった米国と北朝鮮が関係を打開するきっかけを作り、それから数か月後、いわゆる「枠組み合意」が結ばれました。これは成功した一例です。北朝鮮との関係では、米国に限らず日本もこのような非公式な接触に頼っている面があります。 日本と中国との間では、戦後さまざまな非公式接触があり、その積み重ねの上で1972年に国交正常化が実現しました。中国とは米国も非公式の接触を活用しています。 世界の情勢は大きく変化しています。外交に課せられた課題も昔と今では比較になりません。そのような客観的な状況の変化を背景に、外交もただ政府が行なうだけでなく、民間と協力しながら進めていくことによって新しい可能性が開け、また、外交の幅が広がります。福田氏や舛添氏の活躍により中韓両国との関係がこう着状態から一歩抜け出していくことが期待されます。 (美根慶樹/キヤノングローバル戦略研究所)