１５日の就任会見で笑顔の阪神・藤川監督（中）。杉山オーナー（左）、粟井球団社長も同席

◇記者コラム「Free Talking」 　阪神電車の沿線で暮らしていると阪神・岡田彰布前監督（66）のポスターを今もよく見かける。寂しさを誘う景色が残る一方で、球団では藤川球児新監督（44）体制への移行が進み、色も少しずつ出てきている。 　15日に就任会見を行った藤川監督は、目指す野球について「コーチの方たちとも来年のビジョンをまだ組んでいない。メッセージとして固まってしまった意見を述べるのは控えたい」と具体的な言及を避けた。 　「守備力」「投手力」といった分かりやすい単語は掲げていないが、その後に発表されたコーチングスタッフには、ならではの傾向が表れていた。監督と同学年が5人など年齢の近いコーチが多く、自らの思いを伝えやすい布陣になった。 　また、ブルペン捕手の片山大樹さん（49）がブルペンコーチ兼任で入閣した。阪神一筋でブルペン捕手を24年務め、現役時代の藤川監督の投球も受けている。 　「しっかり投手の球を受け、アドバイスをすることは変わらないが、より深くアドバイスできれば」と話す片山さんは信頼できるブルペンの“目”だ。投手起用などのタクトを動かしやすくする人事といえる。 　球団は24日のドラフト会議では関大・金丸の外れ1位にNTT西日本の伊原陵人投手（24）を指名した。堅実で、自在に使える即戦力左腕を補強。新監督が動きやすいよう戦力を整えている。（プロ野球担当・生駒泰大）