園児1人1人にICタグ装着進む、行方不明死亡の事案受け 広島市の保育園
保育園の安全対策で、広島市は、園児1人1人にICタグを着ける試みをしている。2022年に西区の市立保育園で園児が保育中に行方不明となり、近くの川で亡くなった事案を受けた施策の一環。見守りに効果があるか確かめ、導入の是非を検討する。 【写真と地図で見る】男性が列車にはねられた「勝手踏切」 ICタグは、登園時に衣服の背中側に装着するなどする。園児が保育士から30~40メートル程度離れたり物陰に入ったりすると、スマートウオッチが振動して保育士に知らせ、スマートフォン画面上で該当園児の表示が赤くなる仕組み。 11日は、神崎保育園(中区)の年長18人がICタグを着け、近くの公園で遊んだ。9月24日から試しており、竹本悦子園長は「『そこにいるだろう』という思い込みを防いでくれる期待はある」と、保育士の目視確認を補助するツールと位置付ける。 ICタグによる安全対策は新潟市などが始めている。広島市は3月以降、2園で実施。今後、保育士の負担や費用対効果を見極める。ほかには、職員同士で連絡を取りやすくするための無線通信機(インカム)の配備などを進めている。
中国新聞社