PCやスマホからの「通知」で仕事の効率はこんなに悪化!デジタル時代の「通知疲れ」解消法
前述の通り、過剰な通知はストレスの増加や注意力の低下をもたらします。これらはミスや判断の誤りにつながり、組織のリスクとなり得ます。通知の優先度を適切に設定し、重要なものだけに集中できる環境を作ることは、こうしたリスクを減らすためにも必要なことです。 通知には情報漏洩のリスクも存在します。「どんな場面で情報漏洩が?」と思われるかもしれませんが、特にリスクが高いのは、画面を共有している時。社内会議であれば影響は限定的ですが、顧客との打ち合わせや外部とのミーティング中、画面に予期せぬ通知が表示されると、大きな問題を引き起こす可能性があります。 私が遭遇した例では、ある講演で登壇者が投影している画面に通知が頻繁に出ていたことがありました。よく見ると転職活動に関するメールの新着プレビューで、某有名外資系企業からの最終面接の連絡だったのです。投影されていたのは登壇者自身のマシンではなく、イベントの運営を担当するマーケティング責任者のマシンだったようで、慌ててその責任者が舞台袖から現れて通知をオフにしましたが、既に手遅れでした。会場にいた多くの人がその通知に気づいたでしょうし、上司もその場にいた可能性が高いと考えると、その後、どうなったのかが気になるところです。 通知の適切な管理は自分だけでなく、周囲やチーム、組織の生産性や信頼性にも関わるポイントであり、非常に重要なリスク管理の一環といえるでしょう。 ● 外資系マネジャーから学んだ 理想の通知管理術 通知管理の基本を振り返ると、外資系企業で働いていたときのことを思い出します。当時、米国のマネジャーが「自分は一切通知は見ない」と誇らしげに話していたことがありました。周りにいた同僚たちはその発言にうなずいていましたが、私は少し違和感を感じていました。「彼自身は仕事に集中できるかもしれないが、彼に連絡を取りたい人たちが困るのではないか」と思ったのです。 しかし今振り返ってみると、この違和感は「全ての通知はいつも即座に確認しなければならない」という私の不要な義務感から生じたものでした。このマネージャーは「通知に振り回されない」という通知管理の基本的な考え方を、当時から体現していたのだと思います。