ニューヒロイン久保凛「日頃感じられない部分をたくさん学べた」憧れの田中希実も称賛「彼女の走りが光ったレース」
◇第32回金栗記念選抜陸上中長距離大会2024(13日、熊本・えがお健康スタジアム) 【画像】久保凛選手が田中希実選手に競り勝ちフィニッシュ パリ五輪での活躍が期待される、陸上の田中希実選手(New Balance)が、屋外シーズン初戦の800mに出場。その田中選手を“憧れの存在”と話す高校2年生のインターハイ王者・久保凛選手(東大阪大敬愛高)との直接対決が実現しました。 田中選手以外にも、川田朱夏選手(ニコニコのり )や北村夢選手(エディオン )など、日本選手権を制した経験のある実力者がそろった今回のレース。その中で積極的な走りをみせたのが、唯一の高校生・久保選手でした。 序盤から久保選手が先頭でレースを引っ張る展開。すると残り300mで田中選手がロングスパート。しかし、それに食らいついた久保選手は、ピタリとうしろをマーク。ラスト50mでトップに立つと、見事優勝を果たしました。 レース後には、憧れの田中選手と言葉を交わす、久保選手の姿が。「『お疲れさま』って言っていただいたので『お疲れさまです』という感じで返させていただきました。あんまりしゃべったことがないので、うれしかったです」とはにかみました。 ラスト50mで勝ちきったレースについては「自分の中で最初は前に出てレースを引っ張って、ラストまで抜かれず、粘る走りをする予定だったが、途中で田中選手に抜かれた。粘ってラスト50mでしっかり差しきってレースをすることができたので良かった」と振り返りました。 「今回のレースはたくさんの憧れの選手と走る初めての機会で、優勝できてとてもうれしい。空気感であったり、日頃感じられない部分をたくさん学べて経験することができた」と、充実感をにじませた久保選手。 今後の目標は「大きな大会にたくさん出て、高校記録やインターハイ優勝などをしっかりねらって頑張っていきたい」と力を込めて答えていました。 レース後には、多くのファンがサインや写真を求め、行列をつくる場面も。「(サインが欲しいと)そういうふうに思ってくれているのはうれしい」と、戸惑いながらも笑顔で対応。 一方、800mで2位、その後出場した1500mでも2位となった田中選手。実は状態が良くなく、棄権することも検討していたことを明かしました。それでも、「納得はいっていないが、ボロボロではない。タイムはついてきたのでよかった」とレースを振り返っています。 久保選手とのレースについては「私はロングスパートが持ち味なので、ロングスパートと彼女(久保選手)のラスト200mのキレで、もっと僅差になるような接戦を繰り広げたかった」と話し、「私がふがいなかったので、彼女の走りが光ったレースだった」と久保選手をたたえました。 【女子800m2組の結果】 1位 2分05秒35 久保凛 2位 2分06秒08 田中希実 3位 2分06秒39 渡辺愛