【学校の断熱最前線】ヤバすぎる暑さ・寒さの教室を断熱ワークショップ、歴代生徒会で実施。ストーブ10分だけで教室中ずっと暖かく 長野県・上田染谷丘高校
「断熱材や木材を微調整しながらカットして、壁にちょうどぴったりハマるとうれしい!」 「銃みたいな機械で釘を打って板を留めたんですが、その音が楽しくてやみつきになりました」 と、楽しかった様子が伝わってきます。
断熱改修後の教室で過ごしてみて、以前との違い、無断熱のほかの教室との違いはどうでしょうか。 「教室にストーブはひとつしかないので、ストーブに近い席だと腕まくり、遠い席だとすきま風でとても寒かったけれど、断熱後は教室のどこにいても同じくらい暖かい」 「足元までまんべんなくポカポカになりました」 「ストーブは火の強さを大・中・小と設定できて、ほかの教室では大でずっとつけっぱなしなのに、ここは小で10分くらいつければ、そのあと切ってしまっても寒くない」 ちなみにワークショップ直後の測定では、窓の表面温度は内窓取り付け前と後で比べて2.0度→9.3度、内壁の温度は4.6度→9.0度に。 「2月の寒い時期に行ったので、断熱効果がわかりやすかったですね。おそらく実際の数値よりも、生徒たちが感じる過ごしやすさ、実感値はかなり大きいと思います。灯油の減り方はこの冬から検証していきたい。この教室だけ明らかに給油する回数が減っていることは実感しているので」と上條先生は言います。また、断熱化の前から現在も教室の机の上と床部分には温度を測定するセンサーが取り付けられ、自動的にデータが蓄積されており、解析も並行して行われています。
ちなみに断熱1回目を終えた昨年の夏は、 「朝来ると、気密性が高まったおかげでとても暑いのですが、一度窓を開け放して熱を逃してからエアコンを入れると、すぐに涼しくなりました。ほかの教室は設定温度24度にしていますが、ここは26度で十分効いていましたね」(上條先生)。 学校一劣悪な環境だった教室が、格段に快適に。2回目の断熱を経た今年の夏は、さらに効果が実感できることでしょう。