「もしかして私の口、臭い!?」歯科医が教える“口臭”の正しい対処法
他人の「口臭」が気になることってときおりありますよね。でも、もしかしたら自分も口臭を発しているのかも……! 口臭の原因には、生理的なものもあれば、口内トラブルによるものなどさまざま。中には糖尿病や肝臓の病気が原因のものまで……。そこで本記事では、青山通り歯科 矢島昇悟院長に口臭の原因や、正しい口臭対策について伺いました。 【あわせて読みたい】口臭を撃退! 現役歯医者が教える「正しい舌の磨き方」
そもそも、口臭の原因って?
口臭の原因は大きく分けて3つあります。 <(1)生理的口臭>朝起きたときに感じる口臭(モーニングブレス)や、緊張したときに口がネバネバする事によって起こる口臭、口が乾燥した際に出る口臭など、病気や飲食物以外が原因の口臭のことで、加齢によって起こる口臭もこれに当たります。これらの口臭は健康に全く問題がない人でも起こることがあるので、ひどく心配する必要はありません(モーニングブレスが気になる場合は、枕元にお水を置いておいて、起きがけに一口飲むと軽減されます)。 <(2)病的口臭> 大きく「口が原因のもの」と「内臓が原因のもの」の2種類にわかれます。 口から来る臭いは、歯磨き不足など歯や舌に残った汚れから発生する臭いをはじめ、歯石、虫歯や歯周病、神経の腐敗などといった「お口のトラブル」から出ている臭いの場合があります。これらは歯医者さんで診断・治療する事が出来るので、気になったときは、まず歯医者さんに行って調べてみてくださいね。 次に、内臓から発生する口臭です。これは胃などの消化器、気管や肺と言った呼吸器などの問題によって起こる口臭で、それぞれ専門の外来で詳しく調べる必要があります。その他にも、糖尿病や肝臓の病気が原因で臭いが発生するケースもあります。以上のような内臓が原因で起こる口臭は、体が大きなトラブルが起こしている場合もあるので、注意が必要です。 <(3)物理的口臭> いわゆる「食べ物」や「飲み物」「嗜好品」から起こる口臭です。食べ物で言うとニンニクなどのスパイス類、ネギ、チーズ、納豆など。飲み物はコーヒーや牛乳、アルコール類、嗜好品でいえばタバコですね。 この口臭は、あくまで、これらを摂取したことで一時的に出る口臭なので「摂取しない」事が一番の予防になります。でも、どうしても食べたり飲んだりしたい場合は、すぐに口をゆすいだり歯を磨いたり、市販の口臭ケア用品をうまく使うことで緩和することが出来ます。 「タバコを吸いながらビール片手に餃子を……」こんなときは帰ったら早めに歯を磨いて下さいね。 さて、ここまでで大事なポイントは、以上の3種類の口臭が「他人が明らかに不快と感じる口臭」であるということです。逆に「自分では口臭があるように感じるのに、他人からは指摘されない」というものは、もしかしたら「心理的口臭」かもしれません。別名「口臭恐怖症」などとも言われます。 これは、精神的ストレスやトラウマなどによって、自分の口の臭いが過剰に心配になってしまう状態を言い、ほとんどの場合は第三者が感じられるほどの臭いが出ていません。 口臭専門の外来へ行けば、臭いを計測して数値化してくれる機械があるので、自分が気になっていた臭いが「他人が不快なものか、そうでないか」を客観的に調べることが出来ます。