「もしかして私の口、臭い!?」歯科医が教える“口臭”の正しい対処法
正しい口臭対策って?
<まずはきちんと「歯を磨く」こと!> 何よりも、まずは「正しいブラッシング」と「食べたら歯を磨く習慣」です。毎回ちゃんと歯磨きしてるつもりなのに「汚れが残る」「臭いがする」のは、実は磨き残しがある場合がほとんどです。歯医者さんで自分のブラッシングの癖を確認してもらったら、歯石や着色のクリーニングをした上で、ブラッシングの改善指導を受けるのが良いと思います。「意外とブラシが奥まで届いてなかった!」とか「当ててるつもりが、歯と歯の間が磨けてなかった!」など、良くあるケースです。 <意外と汚れが残っている「舌」> 次に、歯ブラシ以外の補助グッズを使う方法です。デンタルフロスや歯間ブラシなどの他にも「舌ブラシ」という舌を磨く専用のブラシもあります。「え、そこまで必要?」と思うかもしれませんが、舌の表面は絨毯のように凸凹で、そこに汚れが残っていると臭いの原因になります。ホウキで絨毯を掃いても汚れを落とすことが難しいように、歯ブラシで舌の表面を掃除するのは少々難しく、一生懸命に擦りすぎると舌を傷つけてしまう事もあります。舌ブラシなら舌を傷つけずに表面の汚れを落とすことが出来ます。いわばコロコロみたいな印象ですね。 舌を綺麗に保つことは、お腹の中の悪い菌を減らし、免疫力の向上や便秘の改善など良い影響があると言われています。また、口の中を清潔にすることで、昨今の新型コロナウイルスによる肺炎リスクを下げる効果があるとも言われています。 殺菌成分を含んだマウスウォッシュを使うことも口臭には効果的です。
マメな水分補給も大切! ただしコーヒーやアルコールは注意
口の乾燥も口臭の原因になります。マメな水分補給で口の中を潤しておくことによって口臭の悪化が防げます。また、ガムを噛むことによって唾液腺を刺激し、唾液の出を促してあげるのも良いと思います。ただし、ここで注意したいのがコーヒーやアルコールといった飲み物です。 コーヒーは、その匂いで口臭を一旦はマスキングしてくれますが、含まれる成分が口の中を酸性に傾けるため、菌の活動が活発になってしまいます。また、カフェインの利尿作用により体の水分を出してしまうので、それも口臭の原因になります。予防するには、コーヒーを飲んだあとに水で口をゆすぐと良いと思います。ゆすぐことで歯の表面にコーヒーの着色が付く事も防げるので一石二鳥です。 また、アルコールにも同じように利尿作用があるので、結果として口が乾燥して口臭が出やすくなってしまいます。 ちなみに、ニンニクの匂いに限定すれば、リンゴが効果的と言われています。これは、ニンニク独特の臭い成分「アリシン」をリンゴに含まれる成分が分解してくれるからで、ニンニクを食べた後、出来るだけ早めにリンゴジュースを飲むことは良い対策だと思います。 ここで大事なことは、「果汁100%」のジュースを選ぶこと。市販のリンゴジュースの中には「果汁10%」や「5%未満」の物もありますが、これでは消臭効果も10%や5%未満しか得られませんのでご注意を!
教えてくれたのは……青山通り歯科 矢島昇悟院長
1982年、東京都生まれ長野県育ち。2007年、日本歯科大学卒業。日本アンチエイジング学会、日本顎咬合学会などに所属。アメリカ審美歯科学会ASDA参加。2015年、港区にて「青山通り歯科」をオープン。審美歯科・予防歯科をメインに「10年通いたい歯医者」を目指す。