女性の老後不安を描いた「団地のふたり」が中国でも大人気! 経済競争に疲れた中国人から「癒やされる」と絶賛
放送開始直後から大きな反響を呼び、11月に放送が終了したドラマ「団地のふたり」(NHK BS)。公営団地を舞台に、50代になって生まれ育った団地に舞い戻ってきた幼なじみの女性2人の友情物語を中心に、団地に住むさまざまな人々とのご近所付き合いを描いた作品だ。離婚したノエチ(小泉今日子)と、恋人と別れたなっちゃん(小林聡美)はともに55歳という設定で、何げない日常や日々の出来事、団地内のトラブルを独特のゆるい空気感で映し出し、その世界観は多くの視聴者をとりこにしたことは記憶に新しい。 【写真】ドラマに登場した「絵日記」を自作する中国ファンはこちら 実は今、意外なことに同ドラマが中国で大人気なのだという。中国ウォッチャーは言う。 「日本で放送開始直後から、中国の大手動画配信プラットフォーム『ビリビリ』などに字幕付きで配信され、多くの中国人もほぼリアルタイムで見たようです。NHKの公式配信ではなく違法転載なのですが、中国最大の映画レビューサイトでは、10点満点で9.3と高スコアを記録しており、SNSでは『今年一番面白かったドラマ』『今冬に絶対見るべきドラマ』と称賛のコメントがついていました。口コミが広がって、12月に入っても『団地のふたり』の感想がWeibo(中国版X)に投稿されています。中国では昨今、1話3~5分のショートドラマがはやっていますが、それに疲れた人たちも多いことから、スローペースで物語が進むこのドラマも支持されているのでしょう」 映画レビューサイト「豆瓣電影」を見ると、なんと1万6000人以上がレビューし、8000件以上のコメントが寄せられていた。「半沢直樹」のスコアが9.2だったので、それ以上の評価を得ているようだ。なぜ、同ドラマは中国人の心に刺さったのか。 コメントやSNSでは、「中国には中高年の独身女性が主人公の映画やドラマがなかったのでとても新鮮」という声や、「女優の演技やメイクが中国や韓国ドラマとは正反対の質素でナチュラルなところがよかった」「老後に不安を抱いていたけど、こんな素敵な老い方があるのだと感心した」という意見が見られた。見た人はやはり女性の中高年が多いようで、「癒やされた」という内容のものが一番多かった。一方で、こんな動きも。 「一部では『団地のふたり現象』とも言うべきブームも起きています。例えば劇中では毎話、イラストレーターのなっちゃんが描いた絵日記が出てくるのですが、それをマネしてなっちゃんテイストで描いた絵日記を公開しているファンもいました。また最終回では、主人公の2人が数々の昭和ヒット歌謡曲をメドレーで歌いまくるのですが、そのセットリストが出回っていて、ファンが聴いて楽しんでいるようです。さらにドラマに出てくる喫茶店のホットケーキや、手作りのツナサンドイッチを再現すべく、その作り方を紹介する動画まで投稿されています」(前出の中国ウォッチャー)