イルミネーションなど連続稼働に成功、電気を生み出す微生物「発電菌」の実力
栗田工業が実証
栗田工業は微生物の働きで発電する「微生物燃料電池」を長崎県西海市のキャンプ場で実証運転し、デジタル時計とイルミネーションを連続稼働させることに成功した。また、基幹部品である「発電セル」の発電能力を2022年時点の2倍以上となる1立方メートル当たり550ワットまで向上できた。 微生物燃料電池は、排水中の有機物を分解すると電気を生み出す微生物「発電菌」を利用した発電。実用化できると排水を処理しながら発電できる。 実証は24年11月の5日間で実施。し尿を浄化する機能が付いたニシム電子工業(福岡市博多区)の水洗トイレに発電セルを組み合わせた。し尿排水を供給すると発電し、デジタル時計を稼働させ、LED電球60個のイルミネーションを点灯できた。計測した発電量は、排水中の有機物(CODcr)1グラム当たり0・6―0・8ワット時だった。 栗田工業は22年、実用化を想定した1000ミリ×450ミリメートルの発電セルを開発した。当時の発電能力は1立方メートル200ワット。今回、セルに改良を加えて発電能力を引き上げた。