「うん…」ではNG「いいよ!」でOK“性的同意”どこまで理解してる?4原則と法律のギャップ、冤罪リスクも
■「断ってもいいんだ」交際中の性行為に悩んだ女性
性的同意という言葉に救われたのが、男性との交際時に悩みを抱えていたほたさんだ。「言葉を知る前、婚活や恋活を頑張っていた時期があった。その頃は強固な思い込みを持っていて、結婚に至るまでの仲の良いカップルの間には、滞りなく行われる性行為があると信じていた。男性が女性に体を求めてきたタイミングでするのがベストだと考えていたので、いざ自分がお付き合いを始めて、お相手の男性が求めてきたら応じなければとちょっと頑張ってしまい、自分が本当にやりたいかどうかをあまり考えなかった」。 無理に応じたことで性行為そのものにネガティブな感情を持ち始めてしまい、それが相手にも伝わったのか、性行為を持った後に連絡が取れなくなるということが何回か続いたという。「体目当てだったのではと、勝手に落ち込む負のスパイラルに陥ってしまい、1人の人と長く付き合えない時期があった。苦手意識を克服したいと悩んだ時期に、性的同意という言葉を知って、お付き合いをしている間柄でも、性行為には同意が必要で『あの時、私は断ってもよかった』と思えると気がちょっと楽になった」と、性的同意に関する知識を得て、前向きになるきっかけが訪れた。 一方、Shunさんは誠実な交際ができていれば、性的同意は必要なく、むしろ意識しすぎることが未婚率の増加や、少子化に拍車をかけると考えている。「真剣に交際し関係を作っていれば、そこまで必要性はない。『(性的行為が)嫌だ』と思う関係値になっている時点で、そもそも違う。手間を省くようにシンプルさ、楽さを求めて時代は進んでいると思うが、それにちょっと逆行するような手間をかけていくことがあれば、『それだったら、もういいよ』となる。自分に自信がない人もいれば、一歩踏み出しにくい人もいる」と、男女の関係にブレーキをかける可能性も指摘した。さらに「アプリで同意を取るとかというよりは、まず信頼関係が大事。結局そこが成り立っていないから、作業的な同意が必要になって、人としての関わりではなくて関係性も作業化される。一人一人ちゃんと関係を作っていくのが、根本的に大事かなと思う」と述べた。