「重機かっけー」…あの手この手で若い世代に建設業の魅力をアピール 20年間で12万人が7万人に、就業者激減に危機感
建設業界の人材確保や育成が課題となる中、長野県は若い世代へのアピールを強めている。業界団体と協力して小中高校生への情報発信に力を入れており、12月21日には首都圏在住の大学生と県内の建設業者が交流する初の「信州建設フェア」を企画。将来の志望業種に選んでもらえるよう、役割や魅力を伝えている。 【写真】中田英寿さんがショベルカー操縦。五郎丸歩さんらと結成「HEROs」が重機操縦学んで災害復興支援へ
「かっけー」。21日、下高井郡木島平村木島平中学校。県と県建設業協会が企画した職場体験学習・防災学習で、除雪機に乗った男子生徒が目を輝かせた。2年生約40人が乗車体験や、災害復旧も担う建設業の役割について説明を受けた。ある女子生徒は「危険なイメージだったけど、地域とつながっている仕事だと分かった」と話した。
2020年の国勢調査では、県内の建設業の就業者数は7万5263人。60歳以上が3割を占める一方、10~20代は1割だった。就業者も減少。00年は12万6千人余で、20年で5万人余が減った。
建設業は災害復旧に加え、除雪や道路整備などでインフラを支える。県は本年度、建設業について紹介する中学生向けのキャリア教育を昨年度の4校から6校に拡大。建設系学科の高校生が対象だった職場体験学習に普通科を加え、小中学生と保護者が現場を巡るツアーも企画した。
フェアは主に就職活動前の大学生が対象。県内に本社がある事業者が参加し、業務内容などを説明。学生からの質問にも答える。県技術管理室は「早いうちに建設業に触れてもらいたい」と期待する。
東京交通会館で午前10時~午後4時。29日まで、出展企業を募り、出展料は1万8千円。学生は予約不要、無料で入場できる。