「相手、病院送りにしろ!」剣道大会で父親の「みっともないヤジ」に子供が号泣。子供を壊すトラウマヤジはなぜ跡をたたないのか?
宮崎県で行われたフルコンタクト空手の大会で危険な反則行為があったことがSNSで露呈。物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「小学生同士が対戦して、後頭部を蹴る反則行為があった模様。大きな問題になっているのは、無防備な相手の後頭部を後ろから蹴ったこと。セコンドからの行け!という指示もあったとされています。しかも真相を深くぼると当初は蹴られた側が出場処分にされたというのですから疑問が湧きます」。 蹴った選手の道場は11日、公式サイトで謝罪文を掲載している。 「子供が子供の後頭部を蹴る画像はショッキングなものです。後遺症が残らないことを祈ります。蹴った側の子供はもしかしたら試合続行だと勘違いしたのかもしれません。いずれにせよ、このような危険行為が起こらないように大人が配慮をすべきですね」。 このことで空手へのイメージが悪くなるのは悲しいが、公正な判断が下されることを望む。子どもとスポーツを取り囲む問題はまだまだ多い。今回は剣道でありえないヤジを飛ばす保護者と容認する指導者について思うところがあると話す女性から話を聞いた。 ----------------------------------------------------------
大東沙穂さん(仮名・45歳)は、小学生と中学生の子供を育てる母だ。子供たちはどちらも幼い時から剣道を習っている。 「夫が剣道経験者で自然と道場に通うように。基本は親がやっているからやるって人が多いみたい。ただ『鬼滅の刃』で刀に人気が集まったことをきっかけに、やりたい!という子が増えていると夫話していました。親としても礼儀を学ばせたい。そんな人もいるそう」。 しかし、古くからの体質が色濃く残っているのも事実だ。 「夫は小学生から大学まで剣道づけ。上下関係は厳しいし、どこか男の方が偉い、強いみたいな文化があることも事実です。ただ、少しずつ変わっているみたいですけれど。どの先生に師事するかはとても大事みたいですね」。 沙穂さん自体はあまり乗り気ではなかったそう。 「正直くさいし、痛そうだし、剣を振り回すと思うと怖いし…。かっこよさみたいなものが感じられなかったんですよね。夫が面倒をみるという約束で始めた感じです」。 沙穂さんの子供たちが通う道場は、市内の大会や合同稽古に出場することも多い。 「そこそこの人数がいるんで、毎年恒例の大会や合同稽古があります。付き添いが必要な場合もあって、私もたまに行くんですけど、道場によってカラーが違うとリアルに感じます」。 先日のある大会でのことだ。 「剣道って応援は基本、拍手だけなんです。私も初めは知らなくて思わず応援したくなっちゃったんですけど。それから勝ったときにもガッツポーズなどはしません。相手への礼節が基本にあるからだとか。そういう文化は素敵だなと思ったんですけど…」。 道場によってはひどいヤジをぶつけてくるところもあるというのだ。 「あまりにも酷いヤジを飛ばしている家族がいました。飛ばしていたのは夫とその父と思われる祖父。30代の夫婦と50代の祖父母、赤ちゃんと幼児、それから小学校高学年と思われる女の子で来ているようでした。正直引きましたね…」。 ーケンタやっちまえ!
ーボコボコにしちゃえよ! 「試合が始まる前とはいえ、こんなヤジを飛ばしていたものですからびっくりしてしまって…。相手の道場はもちろん周りで見ていた人からも冷ややかな目で見られていました」。 その家族に対して、大会の役員と思われる人が注意をすると「チッ」大きく舌打ちをしたらしい。その姿を見ていた小学生の子どもが小さく「恥ずかしい」とつぶやく声を沙穂さんは耳にしたそうだ。 【後編】ではヤジを飛ばし続ける毒親とそれに加担するような道場とのあまりにも…な状況についてさらに話を聞いていきたい。 取材・文/橋本 千紗
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