「買われすぎ」のビットコイン、米製造業データ発表を前に6万4000ドルを下回る
ビットコイン(BTC)は欧州取引時間の午前中に売り圧力に直面し、過去数カ月の間にアメリカの主要データ発表前に見られた価格急落を彷彿とさせた。 時価総額最大の暗号資産(仮想通貨)は、9月30日に3%近く下落し、6万3600ドルとなった。CoinDeskとTradingViewのデータによるとこれは、9月6日の安値5万2600ドルから先週の高値6万6500ドル付近までの上昇を表す強気トレンドのサポートラインを割り込んだことを意味する。S&P 500に連動する先物は、過去最高値付近でほとんど変化がなく、ドル指数は100.30で安定していた。 10xリサーチ(10x Research)によると、この下落は買われすぎの状態に続く典型的な強気相場の調整だという。 「先週の報告書で、我々はビットコインが短期的に買われすぎているように見えると指摘した。これは、恐怖と貪欲指数(Greed & Fear index)の高まりに反映されている」と、10xリサーチの創設者であるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏はCoinDeskに語った。「現在の短期的な反転シグナルは弱気になっており、今後数日間は反落が続く可能性が高いことを示している」。 ティーレン氏は、6月以降、アメリカのISM製造業景況指数が発表される月の第1週には10%の価格下落が特徴的になっていると付け加えた。今回の下落もそのパターンと一致している。 FXStreetによると、9月の数値は10月1日(日本時間午後11時)に発表され、第3四半期の最終月に製造業活動が引き続き縮小したことが示される見通しだ。 「ISM製造業新規受注データは、この先行指標が不況レベルに近い水準まで落ち込んでいることを示している。これにより、明日のデータは非常に不透明なものとなっている。もし数値が48.0を下回れば、ビットコインは再び下落するだろう。一方で、数値が高ければ、ビットコインは上昇するかもしれない」とティーレン氏は顧客向けのメモで述べたが、第4四半期については強気の見通しを維持している。 第4四半期に対する楽観的な見通しは、主に連邦準備制度理事会(FRB)がさらに50ベーシスポイントの金利引き下げを実施すること、および中国が最近発表した大規模な景気刺激策への期待から来ている。 ジェローム・パウエル(JeromePowell)FRB議長が9月30日(現地時間)にテネシー州で開催される全米企業エコノミスト協会の年次総会で講演する予定であるため、市場はFRBの計画についてまもなく手がかりを得られるかもしれない。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:TradingView/CoinDesk|原文:'Overbought' Bitcoin Drops Below $64K as ISM Manufacturing Data Looms: 10x Research
CoinDesk Japan 編集部