苦い経験は心を鍛える“予防注射” 成長の機会を逃さない「試練よ来たれ」の精神【テレビ寺子屋】
子供が失敗しそうになると、つい手出し口出しをしていませんか。子供の教育の専門家・高濱正伸さんは、愛情からくる過保護や過干渉は子供の自立を妨げてしまうと指摘します。強い心の子供を育てるのは試練という名の“予防注射”だからです。 【テレビ寺子屋】過保護に注意 強い心を育むための子供との向き合い方
12月8日にテレビ静岡で放送されたテレビ寺子屋では、思考力を重視する学習塾「花まる学習会」代表の高濱正伸さんが、強い心をもった子供の育て方について教えてくれました。
◆心を弱くしてしまう過保護や過干渉
花まる学習会 代表・高濱正伸さん: 今の日本では、頭はとても鍛えられても、「心が鍛えられていない」という問題があるように感じています。 一言で言えば「過保護」や「過干渉」。親が一生懸命愛情を注ぐ一方で、「そうすると転ぶよ」と手出し口出しをしてしまう。 そのことはいろんな教育者が指摘していますが、一番有名なのはジャン=ジャック・ルソーで、すでに250年前に著書「エミール」の中でこのようなことを記しています。 「母親は心配のあまり、子供が失敗しそうになると無事であるように失敗しないように怪我しないように、手出し口出しをしてしまう。それは愛情によって起こるのだが、子供の将来の自立を考えた時には、最も残忍な行為だ」と。
◆嫌な経験が子供の心を鍛える
では、どうやって心を鍛えたらいいのでしょうか。まず「愛情に支えられている」ということはベースです。 嫌なことがあったときに立ち直るため、“無性に”愛してくれているお母さん、もちろんお父さんでもその代わりになる人でも、とにかく「たった一人のひいきしてくれる人」の存在がすごく重要です。 人間は「なんでこんなに、かわいがってくれるのかな」という人がいると、いろんな嫌なことがあっても頑張れちゃう。つまりそういう人の存在が土台だということです。 その上で、何回かちょこちょこ嫌なことが起こり、その度に乗り越えていくことで「心の筋肉」みたいなものがついてくる。この嫌な経験、辛い経験を除去してしまったら、本人が本当にかわいそうです。
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