ドイツ連邦議会、ショルツ首相の信任案を否決 解散総選挙へ
連立政権が崩壊したドイツの連邦議会(下院)で16日、ショルツ首相に対する信任投票があり、反対多数で否決された。今後、シュタインマイヤー大統領が21日以内に議会を解散し、来年2月23日に総選挙が実施される見通し。 ショルツ政権は社会民主党、緑の党、自由民主党の3党からなる連立政権だったが、予算措置を巡る不一致などが原因で自由民主党が11月に連立を離脱した。ショルツ首相は来年9月に予定されていた総選挙を前倒しするため、否決を見越して信任投票の実施に踏み切った。 ドイツでは、不安定な政治が続いてナチスの台頭につながった反省から、連邦議会の解散要件が厳しく定められており、首相が議会を解散することはできない。首相が議会に「信任決議案」を提出して信を問い、否決された後に大統領が認めれば解散される。シュタインマイヤー氏は既に前倒し総選挙に同意しているため、議会の解散は確実な情勢だ。 信任投票が否決されて解散総選挙となれば、2005年のシュレーダー首相(当時)以来で戦後4回目となる。【ベルリン五十嵐朋子】