「付加価値-営業変動費=顧客価値」 コロナ禍を乗りこえた、牛肉料理老舗の「おもてなし」とフェアな経営とは
◆事業の中心は「もてなし」の力
――今後、会社をどなたかに引き継ぐとすれば、どんな方に任せたいと考えていますか? まず、我々の事業の価値として「もてなし」を真ん中に据えようとしています。 たとえば、「おいしかったので誰かのためにもう1回買いたい」と思うのは、もてなしの商品の力です。 「もてなし」を事業承継の一番大事な柱にしてほしいです。 「誰かのために何かしたい」と思うようなきっかけをたくさん作るという、人形町今半のブランドの価値を十分納得しながら事業を行うことができ、かつ、やりがいにできる人に事業承継したいですね。
■プロフィール
株式会社人形町今半 代表取締役社長 髙岡 哲郎 氏 1961年3月東京都生まれ。1985年4月、株式会社人形町今半に入社。仕入れ、和食調理、精肉調理、販売を経て株式会社東観荘に出向、専務取締役支配人となる。1990年に米国コーネル大学PDPスクールに留学し、英国のホテルダイニングのオペレーションアドバイザーを務める。1991年10月帰国、人形町今半新宿ルミネ店取締役店長就任。1996年、人形町今半本店店長就任。2001年6月取締役副社長兼飲食部総支配人就任。2018年6月、代表取締役副社長兼営業本部長兼経営企画室長就任。2023年代表取締役社長に就任し、現在に至る。
文/黒羽真知子