【解説】トランプ氏、共和党大会に“サプライズ登場” 銃撃後初の公の場
近野解説委員 「しかし、今回のバンス氏はどうなのか。政治経験は1年あまりと乏しくて、支持層もトランプ氏とほぼ重なっているということです。もちろん政治的な主張も『トランプチルドレン』ですから、アメリカ第一主義をさらに煮詰めたような考え方で、バイデン大統領は彼を『トランプ氏のクローンだ』と早速表現したほどです。それぐらい自分と重なる部分が大きい人選が意味するのは何かというと『トランプ氏の実績・自信』。今までの通りでいいんだ、補うものは何もないんだというあらわれだと」 森圭介キャスター 「なるほど」 近野解説委員 「この先4年間、バンス氏とのコンビで従来の主張を、『やりたいことをやり通すんだ!』という意思が示された形です」 「トランプ氏をバンス氏が補う点が1つあるとすれば、それはバンス氏の年齢です。39歳。トランプ氏より40歳近く若い。トランプ氏の次男エリック氏と同い年ですので、まさしく『親子ほどの年齢差』です」 斎藤キャスター 「ということは、トランプ氏にとって、バンス氏の若さが武器になるということですか?」 近野解説委員 「そういうことですね。これはさっき説明したオバマ政権と逆です。年上の大統領と若い副大統領。『老人対決』とずっといわれてきた今回の大統領選ですが、今回若い副大統領候補を選んだということでフレッシュ、清新なイメージを打ち出せたと思います」
■撤退促す声も…バイデン氏と民主党はどうするのか
鈴江キャスター 「一方で民主党大会が8月に控えていますが、バイデン大統領に候補者からの撤退を促す声も出る中ですが、どうなりそうでしょうか?」 近野解説委員 「民主党内にはハリス副大統領を推す声ももちろんあります。ただ、そもそもバイデン氏が選挙戦から撤退するのかどうかというのがまず1番目のハードル。そのうえで、仮に撤退するとしたら、今度はハリス氏で本当にいいのか。別にもっといい人がいるんじゃないのか。ただ、誰が候補者になるにせよ、しっかりと党内を固めて本戦に臨む必要がありますが、民主党の党大会まであと残り1か月なんです。そうすると、民主党としてはトランプ陣営との戦いだけではなくて、時間との戦いという、本当に厳しいハードルも待ち構えている。そんな状況です」 鈴江キャスター 「大統領選の構図が固まるまで民主党内の状況も注目されます」